池松壮亮&森田剛、二人三脚シーンは「一生忘れられない思い出」
2023年9月4日 21:45

池松壮亮が1人2役で主演を務めた映画「白鍵と黒鍵の間に」のプレミア上映会が9月4日、ヒューマントラストシネマ渋谷で開催され、池松をはじめ、森田剛、高橋和也、冨永昌敬監督が出席した。
原作は、ジャズミュージシャンでエッセイストとしても才能を発揮する南博氏の「白鍵と黒鍵の間に ジャズピアニスト・エレジー銀座編」(小学館文庫刊)。昭和63年、年の瀬の銀座を舞台に、ジャズマンとしての未来に夢を見る博と、夜の世界に囚われ夢を見失っている南を描く物語で、池松が博と南を繊細に演じ分けている。
完成に至るまで約12年をかけたという冨永監督は、「一人のピアニストがなにを考え、どんな壁にぶつかって、自分の道を見つけたのか。そういった南さんの若い頃の経験に、感銘を受けた」と振り返り、「10年以上かかりましたが、すばらしい俳優さん、スタッフのみんなのおかげで、こういう日を迎えられた。本当にうれしく思っています」と感無量の面持ち。池松も「とてもいいものができたという実感がある」と力を込めた。

「父親がジャズを好きで。実家にいる間は、ずっとジャズが流れていた。自分の根源に流れているもの」とジャズとの関わりを明かした池松だが、本作ではジャズピアニストを演じるために半年間のレッスンにも励んだという。「『弾く』なんて言わなきゃよかったですね。『やります』と言って、だいたい後悔するタイプ。半年間、伸び悩みましたね。なかなか伸びなかった」と苦笑い。しかしバンドマスター役の高橋は「池松くんのピアノを聴いた時に、『俳優ってすごいな』と素直に尊敬しました」と大絶賛していた。
南と博を翻弄する、刑務所から出てきたばかりの謎の男“あいつ”役に扮したのが、森田だ。「過去に縛れている感じや、寂しい感じもある。かわいそうな、でも優しい男だなと思いました」と役柄を分析した森田だが、「池松くんとの二人三脚は、一生忘れられない思い出になりました」とにっこり。

主人公と“あいつ”が二人三脚をする展開は、脚本にはなかった場面だそうで、冨永監督によると「森田さんが作ってきた役柄が、予想以上に悲しみにあふれていた。二人三脚をさせてあげたくなった」と森田の役作りを受けて、当日追加したシーンだと話す。池松は「(二人三脚のために、森田と)脚をベルトで結ぶんですが、小道具さんが早めにセットしちゃって。早めに接近した。待っている間も解除できない。何回かやったんですが、カットがかかってもなぜか森田さんが手を離してくれなくて。前を見ながらボソッと『離さないよ』と言われて。ドキドキしました」と森田と笑顔を見合わせながら、撮影秘話を楽しそうに明かしていた。
映画の内容にちなみ、それぞれが「諦めきれない夢」について告白する一幕もあった。池松は「東京に出てきてから、15年くらい経つんです。毎年、東京で花火大会に行ってみたいなと思っています。今年も逃したのかな。諦めてはいないです」と回答。「なかなか諦めてきていますから」と笑った森田は、「大きい家とかに住みたいですよね。(部屋は)あるだけあったほうがいい。好きな植木を植えて、それを見ながら死んでいきたい」と観客を笑わせ、高橋は「生きているだけで精一杯」と目尻を下げつつ、「だけど人生で諦められないのは、酒とタバコ。『死ぬよ』と言われても諦めきれない」とコメント。会場からは拍手が上がっていた。
「白鍵と黒鍵の間に」は、10月6日から東京・テアトル新宿ほか全国で公開
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