音楽とロマの文化を描くトニー・ガトリフ監督「ジャム DJAM」「ガッジョ・ディーロ」デジタルリマスター版9月29日公開
2023年9月1日 20:00

自身のルーツであるロマの文化や音楽に焦点を当てた作品を生み出し続けるトニー・ガトリフ監督の「ジャム DJAM」(17)と、「ガッジョ・ディーロ」(97)がデジタルリマスター版として9月29日公開される。ポスタービジュアルと予告編が披露された。
「ジャム DJAM」は、 音楽に満ち溢れた、女性ふたりの波乱万丈の旅を描いたガールズ・ミュージカル・ロードムービー。音楽とダンスをこよなく愛するギリシャ人の女性ジャムは、レスボス島でレストランを経営する元水兵の継父、カクールゴスとふたりで住んでいる。ある日、船のエンジン部品を調達するため、カクールゴスの代わりにトルコ・イスタンブールへ出かけることに。そこで彼女はフランスから難民支援のボランティアに来たアヴリルと出会う。
劇中を彩るのは、古代ギリシアの詩人、サッフォーの伝説が残るレスボス島、そして、本作の主役のひとつはジャムが歌う、ギリシャのブルーズとも言われる音楽“レンベティカ”。 音楽を愛し、音楽と生きるジャムと周囲の人々の魂の底から溢れ出す歌と踊りは、彼らの喜びや悲しみに寄り添いながら、生そのものをのびやかにうたい上げる。
主人公ジャムを演じるのはポール・バーホーベン監督の「ベネデッタ」(21)、レア・ミシウス監督の「ファイブ・デビルズ」(22)などで注目される女優ダフネ・パタキア。劇中の歌は全て本人が披露しているほか、レベティコを演奏する楽器やベリーダンスも習得し、野生的なエネルギーを漲らせて輝くヒロインを見事に体現している。
「ガッジョ・ディーロ」は、1997年のロカルノ国際映画祭で銀豹賞、主演女優賞はじめ5部門で受賞、同年のモントリオール世界映画祭では特別賞を受賞するなど国際的に高く評価された、ロマの人々とフランス人青年と異文化コミュニケーションを描く物語。
父が遺したカセットテープを頼りに、幻の歌姫を探して彷徨うフランス人青年のステファンは、ある日ロマの村に、たどりつく。村人たちは異国から来たよそ者に冷たい態度をとるものの、なぜか酔いどれの老楽士イジドールは彼を気に入り、無理やり自分の家に滞在させることに。父が愛したロマの音楽、パワフルな女性サビーナとの恋…。 村の人々の生活と文化に触れ、徐々に仲間として受け入れられるステファンだったが、ある日事件が起こる。
色鮮やかな衣服や花の香りを身に纏った女性たちのダンスや歌声、実際にロマの楽士であるイジドール・サーバンをはじめとする男たちの力強い演奏はまさに圧巻で、ロマの歴史と彼らが置かれる過酷な状況を鮮烈に描き出す。ステファン役は日本の大ヒット映画のフランス版リメイク「キャメラを止めるな!」(2022)でも主演を務めた ロマン・デュリス。サビーナを演じるのは歌手としても活躍するローナ・ハートナー。
9月29日から、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開。角川シネマ有楽町で開催中の「Peter Barakan's Music Film Festival 2023」でも先行上映中。
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