【「福田村事件」公開】森達也監督が胸中を告白「誰も映画に参加してくれないと思っていた」
2023年9月1日 16:15

映画「福田村事件」の初日舞台挨拶が、関東大震災発生から100年が経過した9月1日、テアトル新宿にて行われ、メガホンをとった森達也監督をはじめ、井浦新、田中麗奈、永山瑛太、東出昌大、向里祐香、杉田雷麟、水道橋博士、豊原功補が登壇した。
「i 新聞記者ドキュメント」など、数々の社会派ドキュメンタリー作品を手がけてきた森達也が自身初となる劇映画作品として挑んだ本作。関東大震災直後の混乱のなかで実際に起きた虐殺事件を描く。

全国90館で封切りされた本作。満員の客席を見渡した井浦は「映画館を満席にして僕たちを迎えてくださってありがとうございます。幸せです」と感無量な表情を浮かべると「2019年10月17日、このテアトル新宿で森監督と井上淳一プロデューサから、福田村事件を映画化するという話を聞きました。そのとき『君にも参加してほしい』とオファーをいただいたのですが、僕はその場で『どんなことがあっても必ず参加したいです』と森監督に伝えたんです」と裏話を披露する。
井浦は即決した理由を「森監督のドキュメンタリー作品は観てきましたが、劇映画でどのように現場に立って、同映画作りされるのか、それを最前線で何が何でも観たいと思ったんです」と語ると、9月1日に映画が封切られたことに「関東大震災から100年の今日、この作品が上映できたこと、映画がちゃんと旅立ったこと、本当に意味があることだと思います。映画を観にきてくださって、どうもありがとうございます」と感謝を述べていた。

井浦と共に主演を務めた田中も満員の観客に感謝を述べ「私もこの映画に関わるまで、福田村事件のことは知りませんでした。これほど大きな事件がなぜ多くの人に伝わらなかったのか、映画を観てくださった方なら分かったと思います」と語ると「100年前のことですが、いまの現代の私たちの生活にもいろいろなことを問いかけてくれることがたくさんあると思います」と作品に込められたメッセージについて述べる。
永山は映画の企画と準備稿を読んだ際「僕の出番を増やしてほしいと、初めて言いました」と言うほど作品に前のめりだったことを明かすと「本当に素晴らしい映画に携われたことが幸せです」と笑顔。東出も「差別の問題や国の問題など、日本の大手配給会社やテレビ局では描き切れない題材」と述べると「楽しいエンターテインメントだけではなく、過去に起きたことをなぜ起きてしまったのか……と考え続けながら物語を紡いでいくのも、映画人の大切な仕事かなと思う」と作品の意義について語る。
多くの俳優陣が「ぜひ」という思いで参加した本作だが、森監督は企画が走り始めた段階では「映画に誰も参加してくれないんじゃなか」と不安があったという。

森監督は「始まる前は、どう考えても反日映画と批判され、上映中止運動が起きて、劇場どこもやってくれないということになったら、俳優には何もメリットがない」と危惧していたというが、ふたを開ければ多くの俳優たちが意欲的に参加してくれたという。森監督は「この状況はおかしい、なんで日本映画がダメになってしまったのだろうかという思いが皆さんにもあったのかなと、いまは思っています」と胸の内を明かしていた。
(C)「福田村事件」プロジェクト 2023
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