「君たちはどう生きるか」はどんな映画だったのか? 二村ヒトシ&映画.com編集部が思うがままにトーク
2023年8月17日 16:00

TOKYO FMほか全国38のFM局のオーディオコンテンツプラットフォームで、スマートフォンアプリとウェブサイトで楽しめるサービス「AuDee(オーディー)」 と映画.comのコラボ新番組「映画と愛とオトナノハナシ at 半蔵門」。作家でAV監督の二村ヒトシと映画.com編集部エビタニが映画トークを繰り広げる。
今回は、宮崎駿監督が「風立ちぬ」以来10年ぶりに手がける長編アニメ「君たちはどう生きるか」について語り合った。
鑑賞後から本作のタイトルが頭から離れなかったという二村。「主人公がいつ目が覚めたのかがわからないような、夢オチの話。手塚治虫がアニメとは変身を描くものと言っていますが、まさにそのもの」と自身の感想を語る。
映画館での鑑賞直後収録に参加したエビタニは「宮崎駿監督の思念を映像化するから理解しずらい部分もあるとは思う」「テーマはどう生きるか? というタイトルそのものだし、継承の物語で、わかりずらいとは思わなかった。突然出てくる鳥などファンタジーをどう受け入れるかだと思う」と率直に述べ、鑑賞後の劇場でも「わからなかった」と周囲の人が話すのが聞こえたというエピソードと共に「前情報もなく、宣伝ゼロだったからわかりずらいと思ってしまうのかも」と分析する。
二村は「あらすじを書いてしまうと、意味がなくなってしまう映画だと思った」と持論を語り、「初めて見る映画だけど、見たことがあるような感じがする場面がある」と、宮崎監督の過去作のセルフオマージュや母との関係の描き方について言及した。
本作を「眠ってから見る夢のようだ」という二村に対し、エビタニは「夢や自分の心理の投影という点で言うと、最初からアオサギがいることがポイント。私としては、主人公が礼儀正しくていい子だから突然現れた新しい母を受け入れている。でもその時点で(自分の心に)うそをついている。最後にはサギと仲良くなるのもわかりやすいテーマだと思った」と自身の解釈を述べる。
二村は、純真無垢ではなく、戦中の保守的な社会で保身のためにうそをついたことがある少年が主人公である点を強調し、「(異世界を出て日常社会に戻って)友達たちと仲良く生きていけ……そんな単純な話ではないけどちゃんと勉強して世の中を作っていけ、そういう少年の前向きな心の背中を押しているのかも」と推量した。
そして、「アニメーションは変身していく、世界が変容していくことを表現する」と二村は本作がアニメーションであることの重要性と特撮や実写映画の違いを挙げる。エビタニも「著名なアニメーターや有名なスタジオが協力しているのも、宮崎駿から次の世代へのアニメーターへのバトンという意味もあるのかな」と、日本のみならず世界屈指のアニメーション映画監督として注目を集める宮崎監督の立場についても考察していた。
トーク全編はAuDee(https://audee.jp/voice/show/55260)で聞くことができる(無料配信中)。次回はジョン・カサベテス監督の「こわれゆく女」を取り上げる。
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