中島健人&仲里依紗、濃すぎる「トランスフォーマー」愛を叫ぶ「どれだけの熱量か証明したい」
2023年8月5日 10:00

世界中で多くのファンから支持を得ている「トランスフォーマー」の最新作であり、新シリーズの幕開けとなる映画「トランスフォーマー ビースト覚醒」が8月4日から公開を迎える。
本作は、規格外の強さを誇る敵「ユニクロン」が地球侵略に照準を定めるなか、オプティマスプライム率いるトランスフォーマー、さらに大人気テレビアニメ「ビーストウォーズ」の主役たちがビースト戦士として登場し、地球を守るために激しい戦いを繰り広げる姿を描く。
そんな新シリーズで、人間側の主人公となるアンソニー・ラモス演じるノアと、ドミニク・フィッシュバック演じるエレーナの日本語吹き替えを務めるのが、Sexy Zoneの中島健人と、女優・仲里依紗だ。ともに大の「トランスフォーマー」ファンだと語る中島と仲が、偏愛とも言えるほどの熱量で「トランスフォーマー」への思いを語った。(取材・文:磯部正和/写真・間庭裕基)
過去のアニメシリーズのなかでも人気が高く、熱狂的なファンを生んだテレビアニメ「ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー」(1997~98)を下敷きにしており、監督・キャストを一新。日本に先駆けて全米で公開を迎えは、週末3日間で約6050万ドル(※日本円で約84億4,700万円/Box Office Mojo調べ)を記録し大ヒットスタート。評判も上々で、辛口批評サイト「RottenTomatoes」の一般鑑賞者の評価は92%(過去シリーズ最高の評価)を叩き出しており、「シリーズ最高傑作」など絶賛の声が上がっている。
日本語吹き替え声優には、中島健人(ノア役)、仲里依紗(エレーナ役)、藤森慎吾(ミラージュ役)、玄田哲章(オプティマスプライム役)、子安武人(オプティマスプライマル役)、高木渉(チーター役)、柚木涼香(ナイトバード役)、ファイルーズあい(アーシー役)、武内駿輔(ホイルジャック役)、本田貴子(エアレイザー役)、飛田展男(スカージ役)、三宅健太(バトルトラップ役)らが参加する。

中島:3歳ぐらいのときに「ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー」を観たんです。「下町兄弟」というアーティストが主題歌を歌っていたのですが、子どもながらにオープニングの3DCGに衝撃を受けました。そこから「ビーストウォーズメタルス」などの続編も出ているのですが、最初の作品でハマりました。2000年代に入って、マイケル・ベイ監督やスティーヴン・スピルバーグ監督が手掛けた実写版を観たときは胸アツでした。

仲:私は実写『トランスフォーマー』(2007年)からでした。主人公のサムがちょっと三枚目キャラなのですが、そこでお父さんとの約束を果たして中古車屋で車を買ってもらい、それがバンブルビー(シリーズ屈指の人気キャラ)。途中でオンボロから新型に変わる瞬間のシーンが大好きで(笑)。私は新型に変わった方の車(シボレー・カマロ)に乗りたくて、車の教習所に通ったぐらいです。

中島:すごい、デビュー車がバンブルビーだったんですか?
仲:そう。バンブルビーに乗りたいから頑張って免許を取ったといってもいいかも(笑)。

中島:僕は家の作曲部屋にメガトロンが飾ってあります。小さいころから、ティラノサウルスの紫の恐竜が大好きで、(ティラノサウルスに変形する)メガトロンもすぐに好きになりました。見ているとエネルギーが満ち溢れてくるというか……。まあデストロン(敵方)なんですけれどね(笑)。あとは、2月ぐらいに映画コメンテーターのLiLiCoさんの家に遊びに行ったのですが、そこで旦那さんの小田井涼平さんから、すごく大きいオプティマスプライムを(箱に入っていない)剥き出しのままいただいて、寒空のなかそれを掲げて家まで持って帰ったんです。いまメガトロンの横に一緒に飾っています。

中島:今回、作品のニューヨークプレミアに仲さんと一緒に参加させていただいたのですが、現地でスティーブン・ケイプル・Jr.監督やロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラプロデューサーはもちろん、吹き替えを担当したノアやエレーナ役のアンソニーやドミニクにも会うことができました。それ自体が贅沢な時間でした。さらにタイムズスクエアに、ものすごく大きなオプティマスプライマルとオプティマスプライムがいたんです。普通だと柵の中に入れないのですが、関係者として入れていただきました。手元サイズのロボットを持っていた人間としては、ほぼリアルなサイズのプライムとプライマルを見ることができたのは、本当に嬉しかったです。こんな贅沢な時間はないなと感じていました。でも、ロボットよりも何よりも里依紗さんの衣装がすごかった(笑)。
仲:タイムズスクエアで撮影すると聞いていたので、あのド派手さに負けてはいけない……という思いが強くて(笑)。あの衣装も「トランスフォーマー」を意識していたんです。ドレスっぽいけれどパンツスタイルというか。足もロボットっぽい衣装なんです。コロナ禍でなかなか海外に行けなかったので、すごく嬉しかったです。対面してコミュニケーションを取ることの大切さを実感しました。こういう機会がもっと増えればいいなと思いました。

中島:熱くなったのは戦闘シーンです。僕は実写映画の吹き替えが初めてだったので、どうすればいいのか分からない部分が多かったのですが、結構喉を使うんですよね。しかも僕が吹き替えをやらせていただいたノアは、意外な形で戦いに参加するので、これまでの「トランスフォーマー」シリーズで出てくる人間のキャラクターとは違うアプローチ方法が求められたんです。遠方の人に声を届けることを意識しながら、アフレコ中は靴を脱いで臨むなど全身を使って表現しました。ミラージュとのシーンは、いろいろな感情を込めて呼びかけるので、違いをしっかり表現することを心掛けました。
中島:「ビーストウォーズ」から音響監督をされている岩浪美和さんが本作でも担当されていたので、しっかりとディレクションしていただきました。そのおかげで何とかできた感じです。でも、里依紗さんの声を聞かせていただいて、すごくお上手だったので、「まずい」って思いました。

仲:(笑)。私もアフレコのときは中島さんの声は聞くことができなかったのですが、あとで(中島さんの声が)入った映像を観させてもらったんです。もう初めてとは思えないほどお上手でした。やっぱり歌も歌われていますし、声が通るから、とても聞き取りやすかったです。
仲:エレーナは、ブリックリンから出たことがない女の子。初めての冒険で、大変なことに巻き込まれていくのですが、研究者なので、専門用語を早口で言わなければいけないのが、ものすごく難しかったです。私専門用語とか苦手なので(笑)。すごく大変でした。

中島:アフレコのとき、「生半可な気持ちでやってないんです」という気持をアピールしたくて、現場にメガトロンのフィギュアを持って行ったんです。岩浪さんに「メガトロンのファンで、『ビーストウォーズ』の空気感が好きなんです」と伝えたら「君は変な人だな」と言われて(笑)。岩浪さんもかなり変わった方と言われているのですが、今作は結構シリアスな映画なので、「ビーストウォーズ」のような“おふざけ”ができる場面がほとんどなかったんです。なので特別映像(アドリブがメインのもの)でとてもふざけていて、僕も今回ナイトバード役の柚木涼香さんと(その映像で)共演させていただくのですが、岩浪さんがアドリブ芝居を求めてきて。何回「セクシーサンキュー」って言ったか分からないぐらい(笑)。
中島「ビーストウォーズ」の予告って、とてもふざけまくっていて、無法地帯だったんです。それをオマージュしたような特別映像で柚木さんや(オプティマスプライム役の)玄田哲章さんたちと共演させていただきました。「ビーストウォーズ」ファンとしては、当時の世界観に入らせていただけたのは、すごく嬉しかったです。感無量でした。
仲:岩浪さんに「バンブルビーに乗っているんだ」とぼそっと言われました(笑)。とにかく岩浪さんは(収録が)早い。ご自分のなかに撮りたいプランがあるんだと思います。無駄がゼロというか、すごくやりやすかったです。

中島:「ビーストウォーズ」ファンは文句なしに感動すると思います。シリーズ最高傑作と言われていますが、本当にその通りだなと。「ビーストウォーズ」って元々ハリウッドに向けてアニメがクリエイティブされているような気がするので、それを題材にした本作は、ファンの願望が叶う映画であることは間違いないです。コンボイがハリウッド化したことが本当に嬉しいんです。ファンの方々からすると僕が吹き替えをやることに「誰だこいつ」と思われるかもしれません。もしそうだったら陳謝します。でも、本当に「トランスフォーマー」が小さいころから大好きだし、どれだけ熱量を持って作品に臨んでいたかを証明したいです。
仲:「トランスフォーマー」って男の子が好きという印象が強いのですが、女性から見ても、感動するお話になっていると思います。仲間や家族の絆、感動的な人間模様が描かれています。また劇場の大スクリーンで観ることで、圧倒的な作品のすごさを体験できると思います。私にとって家族で映画館に行くというのは、一つの大きなイベントなんです。子どものころ、急に雨が降ってきて「どうしようか?」となったとき、「映画館に行こう」ってなるとすごくワクワクしたことを覚えてます。テーマパークに行くような気持ちになれるのが映画館なんですよね。小旅行に行ったような気持ちになれるし、自分が登場人物になったかのような感覚も味わえる。しかもこの映画は世界規模の作品なので、ぜひ皆さん映画館でご覧になっていただきたいです。
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