田中圭、小津安二郎の初期作品をリメイクする「OZU」に参加！　「出来ごころ」で城定秀夫監督と再タッグ

「小津調」と称される独特かつ唯一無二の映像世界で数々の作品を生み出し、没後60年のいまもなお、国内外で高い評価を受ける小津監督。生誕120年を記念した本作はオムニバスドラマ形式で、“世界のOZU”の原点が現代設定に置き換えられ、カラーかつトーキー（発声）でよみがえる。

第1話「出来ごころ」は、1933年のキネマ旬報ベスト・テン第1位を獲得した作品。喜八という庶民の生活を描いた“喜八もの”シリーズの第1作で、下町の軽妙なユーモアと人情を描いた傑作だ。喜八のキャラクターは、後の「寅さん」シリーズをはじめとする、松竹大船調の原点ともいわれる。

脚本・監督を務めるのは、デビューから100本以上の作品を手がける実力派・城定監督。2022年だけでも「愛なのに」「女子高生に殺されたい」「ビリーバーズ」「夜、鳥たちが啼く」など、話題作が立て続けに公開された。城定監督と「女子高生に殺されたい」以来のタッグを組む田中が、妻と別れ、息子とふたりで暮らしながらも、酒や博打に夢中になるダメ親父・喜八を演じる。

渡邊は、喜八の相棒で同じ工場に勤める次郎役。富夫の面倒をみる優しさを持つが、女性が大の苦手という役どころだ。その次郎に思いを寄せる春江に、白石が扮する。喜八たちが暮らす町に流れてきた春江は、喜八の通う食堂で働くことになる。喜八の息子であり、自由奔放な父とは対照的に、学校の成績が良く利口な小学生・富夫役に、森を配した。渡辺は、喜八たち工員が通う食堂の店主・おとめ役で、脇を固める。そのほか、長田成哉、行平あい佳、駒木根隆介、北村優衣、笠兼三、カトウシンスケ、小野了が顔をそろえた。

工場に勤務する喜八は、相棒の次郎の助けを借りながら、息子の富夫と暮らしていた。そんなある日、偶然出会った女性・春江に熱を上げ、恋仲になろうと奮闘。一方の春江は、次郎に思いを寄せていた。

田中は、「90年前の小津さんの作品をリメイクするというので凄く楽しみでした。原作を見て、無声映画というのにも驚きましたし、自分とキャラが違うのでどうしようかと思いました。僕の演じる喜八は、憎めないダメな奴。みたいなところが普遍的なんだよな。と、やり甲斐はありました!!　城定監督との再タッグは嬉しかったです。新しい小津作品を楽しんでいただけたらと思います!!」と、アピールしている。

城定監督は、「この企画に対し、どうアプローチしたらいいのか悩みましたが、えいやと脚本を書き始めてみると、驚くほど自然に映画『出来ごころ』が自分の筆に馴染んでくる感触があり、核となる人物たちの心模様は昔も今も変わらないという当たり前のような、そうでないような気付きに少し驚きました」と述懐。「映画の表現も昔とだいぶ変わったけれども、変わらないことも多い。小津安二郎監督と同じ映画史の上で自分が今こうして監督をしている畏れや不思議のなかで作った作品です。とても楽しい仕事でした」と、明かした。

連続ドラマW「OZU 小津安二郎が描いた物語」（全6話）は、WOWOWプライム・4Kで、11月から毎週日曜の午後10時に放送（第1話無料）。WOWOWオンデマンドでは、各月の初回放送終了後、同月放送分が一挙配信される。