「映画は性癖で見るべき」二村ヒトシ&映画.com編集部が語り合う「流浪の月」
2023年7月19日 21:30

TOKYO FMほか全国38のFM局のオーディオコンテンツプラットフォームで、スマートフォンアプリとウェブサイトで楽しめるサービス「AuDee(オーディー)」 と映画.comのコラボ新番組「映画と愛とオトナノハナシ at 半蔵門」。作家でAV監督の二村ヒトシと映画.com編集部エビタニが映画トークを繰り広げる。
今回は2020年本屋大賞を受賞した凪良ゆうのベストセラー小説を李相日監督が広瀬すずと松坂桃李の主演で映画化した「流浪の月」の感想を語り合った。
松坂が演じる19歳の大学生・佐伯文と、広瀬が演じる当時10歳の家内更紗との間で起きた出来事は、“女児誘拐事件”として、世間に報じられることになる。それから15年後、加害者と被害者という烙印を押された二人が再会。秘められたふたりの切ない関係を描く。
話題作「娼年」をはじめ、性的な描写のある作品にも挑む松坂桃李のファンだというエビタニ。「暗い役をやるほど好き。内省的なところが良い演技に出ていると思う」と二村に明かす。二村は「娼年」のとあるシーンに言及し、「あの飛距離はさすがにCGだと思うけど……AVの撮り方の影響を相当受けていると思う」とプロの視点で指摘した。
今作「流浪の月」についてエビタニの感想は「ラストも含め、考えさせられる映画だった。横浜流星さんの役もすごかった。被害者になってしまった更紗は常にかわいそうな子でいなきゃいけない。松坂さんが演じる文も一度貼られたロリコンのレッテルはいったいどこまで続くのか……」。二村は「ある種のモラハラ、パワハラなども描かれる。わかった気になって一部を取り出して話してはいけないし、デリケートな問題を扱っているからこそ映画になっている」と語る。
本作は、現在U-NEXTで「本編+U-NEXT限定 未公開映像特典付き」で配信されており、本編に加えて、約70分間の初披露の未公開シーンが鑑賞できる。未公開シーンが使われていたら、劇場公開バージョンとは違った展開があったのかもしれない……と、二村とエビタニは実際の映画のラストシーンを振り返りながら、これからの更紗と文の関係性の行方を想像していた。
また、ふたりは本作で描かれる共依存や性への依存についても言及。「更紗の苦しみは想像できるが、文の苦しみは想像が難しい。だから、いろんな事象があって、更紗がいることで文の苦しみが見える」とエビタニ。二村は、「表面的には、理詰めで考えられる世の中で批判されるべきネタがてんこ盛りになっている。社会問題を扱った映画のように見えるけど、本質的にフィクションでないと触れてはいけない、人間のやばい部分が描かれている。議論ができそうでできないテーマ。映画を見るしかない」と解説した。
今回のトークで、「暗いイケメン好き」だというエビタニ、二村は「変態性がある映画がいい」と、それぞれの嗜好が明らかになり「映画は性癖で見るべきです!」と力説していた。
トーク全編はAuDee(https://audee.jp/voice/show/55260)で聞くことができる(無料配信中)。次回は第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門グランプリ受賞作で、13歳の2人の少年に起こる関係の変化を描く「CLOSE クロース」(ルーカス・ドン監督)を取り上げる。
(C)2022「流浪の月」製作委員会
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