「M3GAN ミーガン」人形役は誰? 演じたのは“演技未経験”の天才ダンサー
2023年6月16日 12:00
アメリカで予想以上の大ヒットを記録し、日本でもヒットを飛ばしているサイコ・スリラー「M3GAN ミーガン」(公開中)。
主役となるAI人形“ミーガン”の可愛らしさと恐ろしさが話題となっているが、この独特なキャラクターを演じているのは誰なのか? 本記事では、演技未経験ながらミーガン役を担当し、「彼女なしではこの映画はつくれなかった」と監督が断言するほどの活躍をみせた重要人物にスポットを当て、解説していこう。
交通事故で両親を亡くし、悲しみからふさぎこんでしまった9歳の少女ケイディ。おもちゃメーカーの才気あふれる研究者ジェマは、この姪を引き取ることになるが、仕事ひと筋の独身者にとって育児はハードルが高い。
そこで彼女は研究段階のAI搭載の人形M3GAN(ミーガン)を、実験を兼ねてケイディにあたえる。ケイディは“彼女”との交流によって笑顔を取り戻していった。ケイディが親しめば親しむほど、彼女によかれと思えることを次々と実行していくミーガン。
しかし彼女の中に芽生えたケイディへの愛情は、やがて狂気へと変わり、とてつもない惨劇を引き起こす……。
AI人形・ミーガン役を担ったのは、ニュージーランド出身のダンサー/子役のエイミー・ドナルド(2010年1月生まれ)。2019年にダンスワールドカップに出場し、ニュージーランド代表として入賞した経歴の持ち主だ。
劇中のミーガンの演技やスタントの大半を自身でこなしており、ダンスで鍛えた体幹が大いに役立ったという。
エイミー・ドナルドのコメント:「アンドロイドはバランスを崩したり、人間みたいに体が揺れたりしない。動きをコントロールしてピタッと止めることが何よりも大切なの」
スリラー映画界に彗星のごとく現れた“新ヒロイン”を演じきったエイミー・ドナルド。メガホンをとったジェラルド・ジョンストン監督は「彼女なしではこの映画を作れなかった」というが、その理由はなんだろうか?
そもそもジョンストン監督は、長回しのシーンや広角撮影では、リアリティを追求するため、CGなどではなく“実際の俳優”がミーガンを演じることが好ましいと考えていた。しかし主役の少女・ケイディと同じくらいの体格で、かつこの役を完遂できる俳優を見つけることは不可能だとも感じていた。
ジョンストン監督「ミーガンを演じるには、1:アンドロイドのように動ける、2:踊れる、3:アクションができる、4:4~5ページ分の会話のシーンを主役に引けを取らない演技でこなせる、といった資質が必要だ。この全てを兼ね備えた子役なんて見つかるはずがないと思った」
ところが、そんな子役が見つかった。演技未経験ながらも、ダンサーとしてのスキルを見出されたエイミー・ドナルドだった。
ジョンストン監督「(ドナルドについて)スタント担当者は大半のスタントに特別な補助装置が必要だと考えていたけど、エイミーは少し練習しただけで難なくこなすことができた」「エイミーを見つけることができたのは奇跡のようだし、彼女なしではこの映画を作れなかったと言っても過言じゃない。それに、ものすごく可愛らしいんだ。しかも、不気味で腹が立つような演技も喜んでやってくれた」
製作陣の“不可能と思えた理想”を実現したどころか、理想以上に魅力的に体現してみせたドナルド。ムーブメント指導のルーク・ホウカーと、スタント・コーディネーターのアイザック・“アイク”・ハモンは、敬愛の意味を込めて彼女を「マシン」と呼んでいたそうだ。
※劇中ではドナルドの演技のほか、場面によってはアニマトロニクスやCGなどを使い分け、ミーガンを表現している。
心に傷を負った少女の親友になるようプログラムされたAI人形<M3GAN>の、行き過ぎた愛情と狂気を描く“制御不能サイコ・スリラー”。「ソウ」「死霊館」「アナベル」シリーズなどの監督として知られるジェームズ・ワンと、ブラムハウス・プロダクションズを率いるジェイソン・ブラムという、2大ヒットメーカーが製作した。
今年1月6日に全米公開されると、週末3日間で3000万ドル(約40億円)をあげ、超大作「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」に肉薄する大ヒットを記録。全世界でも予想以上の成績(2023年3月15日現在、全米9503万ドル/約130億円、全世界1億7312万ドル/約230億円)をあげ、早くも続編の製作が決定するなど、ミーガン旋風が勢いを増している。
日本では6月9日から公開され、3日間で興行収入約1億4526万円、動員約10万人を記録し、ブラムハウスの映画としては歴代No.1のスタートを切っている。
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