「消えた愛人を探して」…探偵には奇妙な依頼が舞い込むもの 「探偵マーロウ」本編映像披露
2023年6月2日 18:00
ニーソン扮する私立探偵フィリップ・マーロウが、美女から「消えた愛人を探してほしい」という奇妙な依頼を受ける。軽快でシックなラテン音楽や、独特なセリフ回し、芝居、演出など、映画の魅力がひと目でわかる内容となっている。
私立探偵フィリップ・マーロウ。大作家レイモンド・チャンドラーが1930年代に生み出した超人気キャラであり、タフで孤独、女性にモテるが、友情を重んじ、どんな時も権力に媚びない。そのハードボイルドな生きざまは、世界中の男性を長きにわたり魅了し続けている。
今回の映画は、マーロウが登場する「黒い瞳のブロンド」(小鷹信光訳/早川書房刊)が原作。2014年に刊行された新作(作者は“ブッカー賞受賞作家ジョン・バンヴィルの別名義”ベンジャミン・ブラック)で、村上春樹の新訳が話題を呼んだチャンドラーの傑作「ロング・グッドバイ」の続編として、本家の公認も受けている一作である。
披露された本編映像の舞台は1939年、ハリウッド。私立探偵フィリップ・マーロウ(演:リーアム・ニーソン)が、見るからに裕福そうなブロンドの美女(演:ダイアン・クルーガー)から、「突然姿を消したかつての愛人を探してほしい」と依頼を受けた直後のワンシーンだ。
マーロウは「ピーターソンさん(失踪したという愛人)のことを正直に話してください」と尋ねる。クレアの回想が始まる――。
「初めて会ったのはコルバタ・クラブよ。彼はハンサムで私たちは愛し合った」「いろんな企みがある人よ」など、言葉から察するにクレアはピーターソンの複雑な一面に惹かれていたようだ。しかし、彼女の表情やムードは、どこか一筋縄ではいかない波乱も予感させる。
果たして真相はいかに? 物語が進むにつれて、ピーターソンを探しているのはクレアだけではないことがわかる。ハリウッドの大物たちもまた、こぞって彼を追っていたのだ。ピーターソンは何をしでかしたのか? ハリウッド映画業界の致命的な秘密を知ったのか? そもそもどこにいるのか? 生きているのか死んでいるのか? 先の展開に期待がふくらむ。
なお、ピーターソンを演じたのは、グザビエ・ドランの監督デビュー作「マイ・マザー」でドランの恋人役を演じたフランソワ・アルノー。ミステリアスな魅力たっぷりに好演している。
主演のリーアム・ニーソンが「演じてみたかった」という念願のフィリップ・マーロウ役に。共演には「女は二度決断する」(2017)でカンヌ国際映画祭女優賞に輝いたダイアン・クルーガー、アカデミー賞・エミー賞・トニー賞すべてを受賞=通称“演技の三冠”を達成しているジェシカ・ラングら、実力派女優陣が顔をそろえた。
メガホンをとったのは「クライング・ゲーム」(1992)でアカデミー賞脚本賞を受賞したニール・ジョーダン。ともにアイルランド出身のニーソンとは4度目のタッグで、たしかな信頼関係のもと作品を紡いだ。
「探偵マーロウ」は6月16日から公開。
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