北川景子&吉岡里帆が初共演! 湊かなえ原作のWOWOW連続ドラマ「落日」で映画監督役と脚本家役に決定
2023年5月31日 05:00
北川景子と吉岡里帆が、WOWOWで9月放送・配信される「連続ドラマW 湊かなえ『落日』」で初共演することがわかった。北川は「連続ドラマW ヒポクラテスの誓い」以来、約7年ぶりにWOWOW作品で主演を務める。
原作は、2008年のデビュー作「告白」がミリオンセラーとなり、その後も「贖罪」「Nのために」「リバース」など途切れなくヒット作を生み出している人気作家・湊かなえが2019年に作家生活10周年の節目の作品として書き下ろした同名のミステリー長編。WOWOWが湊氏の原作小説をドラマ化するのは、「連続ドラマW 贖罪」(2012年)、「連続ドラマW 湊かなえ ポイズンドーター・ホーリーマザー」(2019年)に続き3作品目となる。
第44回日本アカデミー賞で最優秀作品賞に輝いた「ミッドナイトスワン」の内田英治監督がメガホンをとり、本格ミステリー原作の映像化に初挑戦する。脚本は「連続ドラマW 宮部みゆき『ソロモンの偽証』」「連続ドラマW インフルエンス」「連続ドラマW 坂の途中の家」などを手掛けた篠崎絵里子が担う。
新進気鋭の映画監督・長谷部香(北川)は、新人脚本家・甲斐真尋(吉岡)に映画の脚本の相談を持ち掛ける。その元となるのは、15年前、引きこもりの男性が高校生の妹を自宅で刺殺後、放火して両親も死に至らしめた「笹塚町一家殺害事件」。事件が起きた小さな町、笹塚町は真尋の生まれ故郷でもあった。判決も確定しているこの事件を、香はなぜ撮りたいのか。真尋はどう向き合うのか。事件を調べていくうちに、衝撃の真実にたどりつく。
北川が演じるのは、他人に迎合することなく自分の信念で行動する新進気鋭の映画監督・長谷部香。原作を読んでいた北川は、「香と真尋が一つの事件を調査していく過程で、自分の過去や生い立ち、家族についてさまざまな真実に辿り着いていき、2人の人生がじわじわと交わっていくストーリー展開に感動した」と魅力を明かす。
一方、吉岡は、笹塚町出身だったことから運命の輪に巻き込まれていく脚本家の甲斐真尋役で共演。「真尋は脚本家としての自分に自信が無く、ひねくれていてうだつが上がらない臆病な人間です」と役どころを語り、「過去のトラウマから後ろ向きな性格になってしまった姿を、苦しみながらも何とか前に進んでいく主人公の香さんと対比になるよう気をつけながら演じました」と撮影を振り返った。
「連続ドラマW 湊かなえ『落日』」は、WOWOWにて9月放送・配信(全4話)。北川と吉岡、原作者の湊氏、内田監督のコメント全文は以下の通り。
湊かなえさんの作品が大好きで、元々たくさん読ませて頂いていた中に「落日」もありました。
香と真尋が一つの事件を調査していく過程で、自分の過去や生い立ち、家族についてさまざまな真実に辿り着いていき、2人の人生がじわじわと交わっていくストーリー展開に感動した作品でした。
オファーをいただいた時は驚きましたし、湊さんの作品に携われることがとても嬉しかったです。
一見接点のない登場人物たちが過去に深く関わりがあり、その真実が明らかになるにつれ、それぞれが心にしまっていた悲しみやトラウマを昇華していく展開が、原作同様、ライブ感がありました。
真実とは、事実とは、そしてそれを受け入れることとは何なのか。知ることに果たして救いはあるのか。原作のテーマが落とし込まれた脚本で惹き込まれました。
タイトルの通り、落日が度々物語に出てきます。日が沈むまでの短い時間に、それぞれが同じ夕日に思いを馳せていたと思うと切なかったのですが、一歩ずつ前に進んで欲しいと思いましたし、とにかく天候に恵まれ、この夕日のシーンの撮影がうまくいきますようにと願いました。(笑)
香は“知ること”が“救い”だと言い、「なぜそうなってしまったのかが、知りたい」と言い続けます。
真実を知ることで傷つくことや、かえって苦しむことになったとしても、真実に近づこうとする執念を持つ人です。
役を作るにあたり、この人は何故そんなに知りたがるのか沢山考えたのですが、香という人物は過去も含め自分という存在を赦すために知ろうとしていて、知ることでしか本当に前に進めないのだとわかりました。
真実に近づくためには手段を選ばなかったり突き進んでしまうところがあり、それ故に周りを傷つけてしまい、またそのことにも傷ついてしまう香の繊細さを表現したいと思い撮影に臨んでいました。
撮影現場は大変和やかで、内田監督や内田組の皆様がとても温かく迎え入れてくださり、皆様とコミュニケ ーションをとるのが楽しかったです。作品の真剣なムードとはまた違って、和やかで楽しい日々でした。
心に悲しみや傷を抱えたまま蓋をして生きていた登場人物たちが、それぞれの救いを見つけ前に進んでいく姿に私は勇気をもらいました。
日常生活を送る中で、時として私たちは普通を装い、悲しみやトラウマ、知られたくない感情が表層に浮かび上がらないよう取り繕って生きていますが、実はそれぞれに何かを抱えていて、皆救いを求めているのだと思います。
この落日という作品が、皆様にとって一瞬でも、何かの救いや励ましになったら幸いです。
北川景子さん主演作、湊かなえさん原作ということで、世に残る作品を一緒に作っていける喜びでいっぱいになりました。
仲良しのヘアメイクさんがいらっしゃったり、いつか仕事をしたかった内田英治監督にカメラマンの伊藤麻樹さんも一緒で座組としても心強いなと感じました。
湊さん原作の「落日」のテーマである、苦しみからの成長・希望を忘れない精神の美しさに感動していたので読みながら大事なポイントを探りました。
どんな過去を背負っていても向き合っていこうとする映画監督の香と、現実をまだ直視出来ない脚本家の真尋が邂逅していく姿がスリリングに、かつ柔らかさも持って描かれているように思いました。
真尋は脚本家としての自分に自信が無く、ひねくれていてうだつが上がらない臆病な人間です。
過去のトラウマから後ろ向きな性格になってしまった姿を、苦しみながらも何とか前に進んでいく主人公の香さんと対比になるよう気をつけながら演じました。
ドラマ「落日」は繊細で痛みのある切ない物語であると共に、優しいメッセージの詰まった希望を描いた作品でもあります。
最後のエンディングがとても素敵なので、ぜひ4話続けて見て頂きたいです。
自分の都合のいいものだけを見て生きる。しかし、日が沈まなければ明日が来ないように、真実を知るからこそ訪れる明るい未来もあると思うのです。それを、映像で感じることができることに大きな希望を抱いています。文章では表現の限界のある「落日」を突き付けられ、心地よい敗北感を抱けたら、最高に幸せです。
北川さん、吉岡さん、どちらも大きな問題を内に抱えた役柄ですが、言葉にしなくても、表情や些細な動作にそれがにじみ出る演技をしてくださるお二人だと確信し、期待が膨らみ、ドキドキしています。
脚本も作品の意図を丁寧にくみ取っていただいており、監督を中心に、皆のパワーがこもった作品になるのではないかと思います。
自分と重なる人物、または、寄り添いたい人物が作中にいると思いますので、物語を楽しんだ後は、ご自分の胸の内に目を向け、明日への希望となるヒントを見出していただけるのではないでしょうか。また、この作品のスタートは「映画」と「裁判」というワードです。ここに注目して見てくださると、新しい発見があるかもしれません。どうぞよろしくお願いします。
じつは私、ミステリー小説ファンなのですが。このような形で本格ミステリーの原作をはじめてやらせていただくわけで、とても緊張し、とても意気込んでおります。原作者の湊かなえさんが描いた、繊細な登場人物たちを撮影で甦らせようと四苦八苦した作品でございます。その結果をぜひ見ていただきたいと思います。
おふたりとも初めてご一緒させていただきましたが、おふたりともによい意味で想像ととても違っておりました。北川さんは内に秘めたものが爆発するかしないかという境界線を演じるのがとてもお上手だと感じました。吉岡さんは明るい役のイメージがあったのですが、逆に繊細で感情がふつふつと煮込まれゆく演技などをもっと見たいと現場で思いました。
二人の女性が自らの歴史をたどりながら謎を解明してゆく。北川景子さん、吉岡里帆さんがそれぞれ演じるわけですが、とても刺激的な撮影の日々でした。きっとそれが画面に現れている作品だと思います。皆様ぜひ見てください!