【全父親が共感必至!?】父と娘の光景がリアルすぎる 光石研&工藤遥初共演作、めちゃくちゃ気まずい会話シーン
2023年5月25日 11:00
「枝葉のこと」「お嬢ちゃん」の二ノ宮隆太郎が監督を務め、光石研が12年ぶりの映画単独主演を飾る「逃げきれた夢」の本編映像が、このほど公開された。映し出されているのは、親子役で共演した光石研と工藤遥が繰り広げる会話シーン。“全父親が共感必至”ともいえる光景となっている。
本作は、映画デビューから45年、日本の映画・ドラマ界を支える光石の12年ぶりの映画単独主演作。光石自身の地元でもある北九州を舞台に、人生のターニングポイントを迎えた中年男・末永周平の可笑しくも切ない日常を描いている。本年度のカンヌ国際映画祭ACID部門にも正式出品されている。
北九州で定時制高校の教頭を務める末永周平(光石)。ある日、元教え子の南(吉本実憂)が働く定食屋で、周平は支払いをせず無言で立ち去ってしまう。記憶が薄れていく症状によって、これまでのように生きられなくなってしまったようだ。待てよ、「これまで」って、そんなに素晴らしい日々だったか? 妻の彰子(坂井真紀)との仲は冷え切り、一人娘の由真(工藤)は、父親よりスマホ相手の方が楽しそうだ。旧友の石田(松重豊)との時間も、ちっとも大切にしていない。周平は「これから」のために、「これまで」を見つめ直していく。
娘とコミュニケーションを取ろうと必死になる父親が、まったく相手にされず、むしろ心配されてしまう……映像は、そんな父親・周平の“空回り”具合が際立つ内容だ。
由真に「付き合っとる人とかおらんの?」と声を掛けた周平。「なんなん?今日、ほんと」と怪訝そうに返事をする由真のセリフを皮切りに、どこか居心地の悪いリアルな親子の空気感が伝わってくる。
「お前の彼氏に“娘さんを僕にください”ちゅ言われたら、父さんどうするっちゅ思う?」など突飛な質問を続けて娘とのコミュニケーションを試みる周平。由真は真顔で父を見つめながら「気持ち悪すぎなんやけど」と冷たく言い放つ……。親子の複雑な関係が浮かび上がる同シーンは、周平の人間臭いリアルな可笑しさと切なさが見事に映し出されており、パッとしない彼の日常をありありと描き出している。
父という役作りについて光石は「娘がいないので、20代の娘との接し方が分からない。たぶん、(娘が)いてもわからない。だから“わからない”という風にして演じていいのではないかと思っていました」と自然体で挑んだ様子。対する工藤は「私は普段、家族仲が良いので、由真を演じる時は自分の思い描く家族からひたすら引き算でした」と役作りの大変さを語っている。
「逃げきれた夢」は、6月9日より新宿武蔵野館、シアター・イメージフォーラムほか全国公開。
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