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レア・セドゥと共演「それでも私は生きていく」パスカル・グレゴリー&メルビル・プポーに聞く

2023年5月6日 09:00

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パスカル・グレゴリー(左)&メルビル・プポー
パスカル・グレゴリー(左)&メルビル・プポー
(C)TOKIO IEHARA

父の介護と家庭のある男性との恋愛のはざまで揺れるシングルマザーをレア・セドゥが演じた、ミア・ハンセン=ラブ監督の新作「それでも私は生きていく」が公開された。レア・セドゥが演じるサンドラの父親ゲオルグ役のパスカル・グレゴリー、サンドラの恋人役のクレマンを演じたメルビル・プポーが来日し、作品を語った。

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<あらすじ>
シングルマザーのサンドラは、通訳の仕事をしながら8歳の娘とパリの小さなアパートで暮らしている。サンドラの父ゲオルグは以前は哲学教師として生徒たちから尊敬されていたが、現在は病によって視力と記憶を失いつつあった。サンドラは母フランソワーズと共に父のもとを頻繁に訪ねては、父の変化を目の当たりにして無力感にさいなまれていた。仕事と子育てと介護に追われて自分のことはずっと後回しにしてきた彼女だったが、ある日、旧友クレマンと再会し恋に落ちる。
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――まずは、この作品に出演することになった経緯をお聞かせください。
パスカル・グレゴリーミア・ハンセン=ラブの作品は以前から知っていましたが、ゲオルグの役をオファーされてやりたいと即答しました。このような役を演じる機会はまたとないと思いましたし、実際に演じるのも楽しかったです。
メルビル・プポーミア・ハンセン=ラブの映画がとても好きだったこと、あとはレア・セドゥと共演できることも大きな決め手となりました。レアとは以前から友人関係で、魅力的で素晴らしい女優です。今回、私が演じた役はパーフェクトすぎるほど。繊細で、かっこよく、誠実で、魅力的で……これは監督が私を信頼してくださったプレゼントのような役だと思っています。
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――劇中でおふたりが交差するシーンはほとんどありませんが、国際的な女優として活躍するレア・セドゥ演じるサンドラがふたりをつなぎます。セドゥとの共演についてお聞かせください。
プポー:私がレアと初めて会ったのは彼女が19歳のデビュー前でした。当時から女優になるのでは、大スターになるのではというオーラを感じていました。ミステリアスでメランコリックな側面もあり、外見、肉体ともにシネジェニック、映画に映えるものを持っています。演技に対しても意欲的でした。実際共演してみて、彼女は想像以上に自分自身を役に投じていました。現場でも1回のテイクですべてを出し切って成功しています。カトリーヌ・ドヌーブに匹敵するくらいの大女優になると思います。
グレゴリー:彼女はすでに大女優だと思います。ミステリアスであること、彼女が演じる役のすべてに、子ども時代など彼女が背負ってきた人生をどことなく感じます。何か苦悩があるのではないか、壊してしまったものを取り戻そうとしているのではないか、そのような感じに惹かれるのです。これまで演じてきた役は作り込まれた役が多かったように思うので、今作は自然体、等身大の女性が描かれていたことにも感銘を受けました。
――おふたりの世代は異なりますが、フランス映画史にその名を残す巨匠エリック・ロメール監督の映画にも出演していますね。
プポー:私はロメール監督のファンだったので、自分が「夏物語」に出演する以前からパスカルが出演する作品をたくさん見ていました。俳優のキャリアにとって、良い監督との出会いは大事なもの。自分の名前を売るための映画出演だとその後にはつながらないのですが、偉大な監督の映画出演を続けていくとその後にもつながっていきます。私にとって、ロメールはフェリーニや小津と同じくらい偉大な監督だと思っています。
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――おふたりとも子役からキャリアを積んでいます。おふたりが考える俳優という職業についてお聞かせください。
パスカル:私はキャリアという言葉は好きではないのですが、人生において計画したり、野心を持ったりということがなく、自分からもがいて探すというよりは、偶然の出会いを大事にしてきました。その出会いがいわゆる私のキャリアを作ってくれました。名を売るための仕事より、偉大な監督との仕事を選んだ俳優たちが長く残っていると思います。それには、良い映画、監督を選び取る目が必要になります。
プポー:役者の仕事で大事なのは、肉体的な老いをいかにマネージメントするかだと思います。若い頃は好青年を演じられますが、年齢を経て、面白い役を演じるときに、変化をどうマネージするかがカギとなります。歳をとって、意地悪な役、難しい役など、さまざまな変化を楽しみながら長く続けていきたいです。
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――フランス映画界では、多くの女性監督が活躍しています。ミア・ハンセン=ラブ監督の現場はどのようなものですか?
パスカル:現場は彼女の映画のように静かで落ち着いていて、熱心でひたむきな感じでした。また、コロナ禍だったこともあり、私が感染してしまい撮影の中断もありました。35ミリでの撮影だったので、昔ながらの小さなチームで親密な雰囲気で撮影ができて良かったです。

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