【インタビュー】北村匠海×山田裕貴×吉沢亮、“役を超えたもの”が作品に宿る瞬間 時代を作った「東京リベンジャーズ」との歩み
2023年4月20日 12:00
北村匠海、山田裕貴、杉野遥亮、今田美桜、鈴木伸之、眞栄田郷敦、清水尋也、磯村勇斗、間宮祥太朗、吉沢亮。若手トップクラスの俳優たちが全身全霊で挑み、最終興行収入45億円、観客動員335万人を記録し、同年の劇場用実写映画で1位となった「東京リベンジャーズ」。そして、前作キャストが再集結する続編「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 運命」「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 決戦」の2部作が、間もなく公開を迎える。前作を「世代を代表する作品」というひとつの到達点へと導き、枯れることのない熱量でシリーズを支え続ける北村、山田、吉沢。「前作を超えた」という自信や新たな挑戦、“役を超えたもの”が作品に宿る瞬間など、「東京リベンジャーズ」との歩みを語ってもらった。(取材・文/編集部、写真/間庭裕基)
「映画 賭ケグルイ」シリーズ、「映像研には手を出すな!」の英勉監督がメガホンをとり、シリーズ累計発行部数7000万部(3月時点)を突破した和久井健氏の人気コミックを映画化する「東京リベンジャーズ」シリーズ。どん底の生活を送るダメフリーター・花垣タケミチ(北村)はある日、かつての恋人・橘ヒナタ(今田)と弟・ナオト(杉野)が事故に巻きこまれ、命を落としたことを知る。翌日、何者かに命を狙われたタケミチが死を覚悟した瞬間、高校時代にタイムリープ。ヒナタを救うため、タケミチは事故の原因があると思われる最凶の不良組織「東京卍曾」(東卍)に潜入する。前作では、過去で東卍の総長・マイキー(吉沢)や副総長・ドラケン(山田)ら大切な仲間たちと出会ったタケミチが、未来を変え、ヒナタを取り戻すさまが描かれた。
続編の中心となるのは、原作の人気エピソード「血のハロウィン編」。新キャストとして、永山絢斗(場地圭介役)、村上虹郎(羽宮一虎役)、高杉真宙(松野千冬役)が参加している。タケミチの目の前で再び、凶悪化した東卍によってヒナタが殺される。彼女を救う鍵は、東卍結成メンバー6人を引き裂く“悲しい事件”にあった。タケミチは再び、ヒナタと仲間を助けるために奮闘する。
前作が大ヒットしたことで、キャスト・スタッフには「前作を越えなければ」という大きなプレッシャーがのしかかったことは、想像に難くない。まずは25歳(インタビュー当時)という若さで、“座長”としてチームを引っ張った北村に、続編で「前作を超えた」という手応えがある部分や、新たに挑戦したことを教えてもらった。
「血のハロウィン編」は、さまざまな時間軸の出来事が描かれ、それぞれのキャラクターの思惑が複雑に絡み合う。物語としても、ビジュアル面でも、サスペンスフルな印象を受ける。
山田は前作で、ドラケンのトレードマークでもある金の辮髪、こめかみの龍の刺青、ピアスなどを完全再現。その徹底した役づくりで、多くの観客を魅了した。続編では、ドラケンの新たな一面が描かれる。
吉沢は、小柄で童顔ながら、喧嘩では負けなしで最強、不良たちに「この人についていきたい」と思わせるカリスマ性を秘めたマイキー役を、圧倒的なオーラで表現。困難が多かった前作を振り返りつつ、続編での挑戦に思いを馳せる。
前作のインタビューで北村は、「同世代が一堂に会して、僕たちの先輩方と同じ道ではないとは思うけど、大きなバトンをこの作品で繋いでいけたらなという思いです」と、胸中を明かしていた。「世代を代表する作品にする」という気概を、照れることなく、真っ直ぐな言葉で伝えてくれた姿が、強く印象に残っている。続編では、「前作を超えたい」というだけではなく、キャスト・スタッフ全員が「このチームで集まれるのはこれで最後だ」という並々ならぬ思いで、撮影に取り組んでいたという。
本作は、切磋琢磨してきた同世代の俳優たちが揃っているとあって、「俳優同士の関係が、役を超えて画面に現れる瞬間」が、大きな見どころのひとつだ。前作のインタビューで岡田プロデューサーは、北村と、タケミチの親友・アッくんを演じた磯村のシーンを、印象的な場面として挙げていた。プライベートでも絆が深いふたりだからこそ、タケミチとアッくんが屋上で対峙する、“変えられなかった現在”の切ない場面は、劇中でも屈指の名シーンとなった。何度もテイクが重ねられたが、ふたりは何十回も涙を流したという。続編でも、キャスト自身が「相手がこの人だから、こういう芝居ができた」と実感する瞬間はあったのだろうか。
オフィシャルインタビューで、「人のお芝居を見ていて『いいな~』『皆すげーな!』と感じることが多かった」と、撮影を振り返っていた山田。その言葉通り、自身が刺激を受けたシーンとして、北村と吉沢のシーンを挙げ、熱弁してくれた。
吉沢はこれまでに、「もちろん同じ作品を一緒に作っている仲間なんですが、皆でひとつというより、各々が戦っている感じがしました。目の前で芝居している相手より、自分の方がもっといい芝居してやる!みたいな熱量がすごくあったなという感じがした」と明かしている。最高のものを目指しているからこそ、仲間として連帯するだけではなく、互いを超えようとしのぎを削る……そんな熱い現場だったことが伝わってくる。山田の賛辞を嬉しそうに噛みしめつつ、吉沢も、北村とのシーンを述懐する。
「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 運命」は4月21日、「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 決戦」は6月30日に公開。
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ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
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