【金曜ロードショー放送】「ボヘミアン・ラプソディ」ラミ・マレックの前のフレディ役候補は誰? トリビア&見どころ紹介
2023年4月17日 06:00
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本日4月17日は、ロックバンド「クイーン」が1975年に初めて日本の地に降り立った「クイーンの日」として知られる。その記念日に合わせ、「クイーン」の軌跡と、ボーカルのフレディ・マーキュリーの半生を描いた映画「ボヘミアン・ラプソディ」が、日本テレビ系「金曜ロードショー」で、4月21日に放送。「映画大好き芸人」として知られるこがけんが、本作の見どころを語っている。
いまから48年前の75年4月17日、「クイーン」メンバーの到着を見届けようと、羽田空港に約3000人の男女が集まった。「ビートルズ」の来日以来ともいわれる盛り上がりで、当時ニュースでも報道された。「クイーン」は初来日で、7都市8公演のライブツアーを敢行。東京では日本武道館での2度の公演で、約2万人の観客を熱狂させた。メンバーは日本のファンへの感謝の気持ちから、翌年76年に発売されたアルバム「A Day At The Races」に「Teo Torriatte(手をとりあって)」という曲を収録。サビが日本語で歌われた同曲は、初来日以来続く、クイーンと日本のファンの特別な絆を象徴している。
同じく75年10月31日(日本では12月21日)には、シングル「ボヘミアン・ラプソディ」を発売。全英チャートで9連続1位を獲得する快挙を成し遂げた。同曲の名を冠した映画「ボヘミアン・ラプソディ」は、2018年に公開されると、世界中で社会現象級の大ヒットを記録。第91回アカデミー賞では、フレディを演じたラミ・マレックの主演男優賞を含む最多4部門を受賞した。日本でも、「クイーン」の初来日を知る現役世代だけでなく、生前のフレディを知らない若いファンからも熱狂的に支持され、洋画・邦画をあわせ、同年のNo.1ヒット作となった。
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常識を打ち破る革新的な音楽を次々と生み出し、スターダムを一気に駆け上がった「クイーン」。いまなお語り継がれる劇的なパフォーマンスを披露した彼らの華やかな活躍の裏には、誰も知らないストーリーがあった。フレディは“史上最高のエンターテイナー”と称され、成功の光に照らされる一方で、孤独に苦悩していた。彼はメンバーと衝突を繰り返し、崩壊寸前だったバンドは、20世紀最大の音楽イベント「ライブ・エイド」に出演することに。永遠に語り継がれるパフォーマンスには、フレディとメンバーの思いと真実が秘められていた。
フレディ・マーキュリー:ラミ・マレック(櫻井トオル)
メアリー・オースティン:ルーシー・ボーイントン(川庄美雪)
ブライアン・メイ:グウィリム・リー(北田理道)
ロジャー・テイラー:ベン・ハーディ(野島裕史)
ジョン・ディーコン:ジョセフ・マッゼロ(飯島肇)
ジョン・リード:エイダン・ギレン(志村知幸)
ポール・プレンター:アレン・リーチ(鈴木正和)
ジム・ビーチ:トム・ホランダー(赤城進)
レイ・フォスター:マイク・マイヤーズ(咲野俊介)
ジム・ハットン:アーロン・マカスカー(花輪英司)
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映画大好き芸人こがけんです。
本日4月17日はクイーンが初来日した「クイーンの日」! という事で、それを記念して、今週の金曜ロードショーは「ボヘミアン・ラプソディ」を放送。ラストのライブ・エイドのシーンはノンストップでお見せします!
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この作品の魅力は何と言っても……「本編で20曲以上ものクイーンの楽曲が流れること」です。それも、BGMとしてだけでなく、レコーディング、ライブという様々な形式で流れるんですね。
例えば、タイトルにもなっている名曲「ボヘミアン・ラプソディ」に関しては24トラックのマルチ・トラック・レコーダーを用いたレコーディング風景が描かれますが、その工程がとても自由な発想で面白いんですよ!
「ズンズンパ!」でおなじみ、誰もが知っているあの「ウィ・ウィル・ロック・ユー」に関しては、曲が生まれるきっかけが描かれています。この作品の世界的大ヒットのお陰で、世界中でクイーンの楽曲に再び注目が集まったことは記憶に新しいですね! あなたも作品を追うなかで、まだ聞いたことのない素晴らしい楽曲との出会いがあることでしょう。
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印象的なシーンも色々とあるんですが、特に注目のシーンは……フレディ・マーキュリーのロックスターとしての孤独と葛藤を描くシーンですね。
本人の口で公言こそしませんでしたが、世間にはバイセクシャルと認識されていたフレディ。45歳という若さで人生を終えた彼自身の出自や恋愛、私生活が本作では真摯に描かれます。スーパースターだったフレディの人生は決して順風満帆なものではありませんでした。音楽的成功を納めた後、彼は孤独を深め、ドラッグや酒に溺れる生活を送り、身を滅ぼしてしまいます。そういったネガティブな面も描き、あえてひとりの人間としてフレディを描いていることが本作の魅力ですね。彼が亡くなった後も、ほかのボーカリストを立てていまも活動を続けるクイーンですが、ラストシーンが、彼が亡くなる前のライブ・エイドでの演奏シーンであることに、彼への並々ならぬリスペクトを感じます。
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フレディが孤独を深めた原因のひとつとして、マネージャーのポール・プレンターという男がいます。……これがまぁ、悪いヤツですね(笑)!
彼のフレディへの公私混同で身勝手な愛情によって、クイーンがとんでもないことになってしまいます。彼の動向から目を離してはいけませんよ!
そして、フレディをあくまでひとりの人間として愛し、最期を看取ったジム・ハットンや、別れた後も信頼関係のあったメアリー・オースティンという、フレディを支えた素晴らしい人々の存在も忘れてはなりません。
フレディには父親との確執もあります。父親はペルシャ系インド人でゾロアスター教の敬虔な教徒(パールシー)です。フレディは、本名のファルークという名前や、ロンドン生まれでないことにコンプレックスを抱えています。父親は「善を思い、善を語り、善を成す」というゾロアスター教の教えを大事にしていますが、フレディにはそれが窮屈なんですね。お互いが歳を重ねていくなかで変化するふたりの関係性も注目してみてください。
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そして! なんといってもラストのライブ・エイドのシーンは圧巻の一言です。
この演奏シーンは、実は会場で実際に演奏した曲順通りなんですね! そもそも、ライブ・エイド自体の映像が残っているんですが、ここでは、その映像を完全に再現しようとしているんですね。プレイヤーの動きひとつひとつまでも近づけようとしているんです。これはもう監督をはじめスタッフの、狂気にも似た熱意のたまものですね! 特にフレディ役のラミ・マレックには、まるでフレディが乗り移った様な迫力があります。
「ウィ・アー・ザ・チャンピオン」(邦題:「伝説のチャンピオン」)をはじめ名曲の数々が演奏されますが、曲の素晴らしさだけでなく、その歌詞がまさに当時のフレディの心情とリンクしているようで、とても胸が熱くなるシーンでもありますね。
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そしてこの作品が面白いのはプロデューサーにバンドメンバーのロジャー・テイラーとブライアン・メイの名前が入っているところ。フレディ役はラミ・マレックが見事に演じていますが、実は、彼になるまでキャスティングは二転三転しています。初めはサシャ・バロン・コーエンというコメディアンだったはずが、降板。見た目が抜群に似ていただけにサシャの演じるフレディも見てみたかった気もしますが、そもそも実在する人物のキャスティングはこうした困難がつきものですし、プロデューサー陣にバンドメンバーが参加していたのも難航した一因かもしれません。
ちなみにバンドの顧問弁護士でのちにバンドのプロデューサーにもなったジム・“マイアミ”・ビーチが本作のプロデューサーもしているんですね。彼は作中の役柄としてかなり美味しい役を持っていった気がしますが、もしかしたら自分がプロデューサーだからかもしれませんね(笑)。
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キャスティングの話といえば……それにしてもブライアン・メイを演じたグウィリム・リーが、本人に似すぎています! 映像を見た時に、ブライアン本人が、自分かと思ったと言っているほどなので間違いありません。是非見終わった後ブライアン・メイの当時の画像を調べてみてください!
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ちなみにEMIのレイ・フォスターを演じたのはコメディアン、マイク・マイヤーズ。彼は出演する「ウェインズ・ワールド」で「ボヘミアン・ラプソディ」を熱唱していましたが、そもそも彼は熱狂的なクイーンマニアなんですね。そんな彼が演じるレイが、作中では「ボヘミアン・ラプソディ」のシングル化に反対するんです。なんという皮肉でしょう。面白いですね!
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この作品は、冒頭とラストが、どちらもライブ・エイドのシーンで、繋がっています。これは“ブックエンド方式”という構成の手法で、両脇から本を挟み込む「本立て」をなぞってそう呼びますが、間で物語の本編が語られることによって、冒頭とラストのシーンの見え方が違ってくる良さがあるんですね!
近年、これと全く同じ手法の作品がありました。ホイットニー・ヒューストンの伝記映画「ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY」です。実は、この作品の脚本を書いたアンソニー・マクカーテンは、「ボヘミアン・ラプソディ」の脚本も書いているんですね。
どちらも、フレディとホイットニーという若くして人生を終えたトップアーティストを題材とした作品という意味で共通点がある2作品。そのどちらも“ブックエンド方式”を採用し、冒頭とラストで彼らの人生で最高のパフォーマンスと評価されたライブを再現しています。それは、きっと彼らの人生の「最期」ではなく、アーティストとして生き抜いた彼らの「最高」に輝いていた時間を観客の目に焼き付けたいという、彼なりの意図があったからかもしれませんね! ステキですよね。
(C)2018 Twentieth Century Fox
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