ウクライナの“マレーシア航空機撃墜”を背景にした戦争ドラマ「世界が引き裂かれる時」6月17日公開
2023年4月5日 15:00
2014年7月、ウクライナのドネツク州で実際に起こったマレーシア航空17便撃墜事件を背景とした戦争ドラマ「世界が引き裂かれる時」が、6月17日から劇場公開されることが決定。あわせて、ポスタービジュアルと予告編が披露された。
本作は、第35回東京国際映画祭「ワールド・フォーカス」部門にて「クロンダイク」のタイトルで上映された作品。2014年7月ウクライナのドネツク州で実際に起こったマレーシア航空17便撃墜事件を背景とし、ウクライナで懸命に生きる女性の姿を鮮烈に描き出している。
監督は、ウクライナ人女性監督マリナ・エル・ゴルバチ。ロシアのウクライナ侵攻が始まる直前の2022年1月、第38回サンダンス映画祭ワールドシネマ部門で監督賞を受賞し、第72回ベルリン国際映画祭でパノラマ部門エキュメニカル賞を受賞、さらには第95回アカデミー賞国際長編映画賞ウクライナ代表にも選出されるなど、世界各国で41冠の栄誉に輝いている。
ロシアとの国境付近にあるウクライナの小さな家で暮らす、出産を間近に控えた妻と夫。明け方、夫婦の住む家が襲撃され、壁に大きな穴があいてしまう。壁の修繕に取り掛かろうとする2人をよそに、親ロシア派と反ロシア派双方の対立は次第にエスカレートし、事態はさらに混乱を極めていく……。
本作の焦点は軍事的な衝突そのものではなく、ウクライナで懸命に生きる女性の姿にある。長編5作目となったゴルバチ監督は、長回しのワンカットや遠近法を効果的に用い、ワイドスクリーンの中で広い空間を舞台にしながら、死が待ち受ける逃げ場のない閉塞感を醸しだしてみせた。ラスト15分は、深まる民族間の衝突、差し迫ってくる戦争の緊迫感に圧倒され、のちに現実となってしまうロシアのウクライナ侵攻を予見させる。
「世界が引き裂かれる時」は、6月17日からシアター・イメージフォーラムにて公開。
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