【第95回アカデミー賞】作品賞は「エブエブ」 カンフー×マルチバースの異色作
2023年3月13日 12:32

第95回アカデミー賞授賞式が3月12日(現地時間)、米ロサンゼルスで開催され、監督コンビ「ダニエルズ」(ダニエル・シャイナート&ダニエル・クワン)が手掛けた「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」(略称:エブエブ)が作品賞に輝いた。
新進気鋭の製作・配給スタジオ「A24」による最新作で、カンフーとマルチバース(並行宇宙)の要素を掛け合わせた異色のアクションアドベンチャー。「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」「グーニーズ」で当時一世を風びし、今作で20年ぶりのハリウッド復帰を果たしたキー・ホイ・クァンが共演している。
破産寸前のコインランドリーを経営する中国系アメリカ人のエブリン(ミシェル・ヨー)。国税庁の監査官(ジェイミー・リー・カーティス)に厳しい追及を受ける彼女は、突然、気の弱い夫・ウェイモンド(キー・ホイ・クァン)といくつもの並行世界(マルチバース)にトリップ。「全宇宙に悪が蔓延っている。止められるのは君しかいない」と告げられ、マルチバースに蔓延る悪と戦うべく立ち上がる。
受賞が告げられると、喜びを爆発させた「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」チーム。壇上では、キー・ホイ・クァンが、「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」で共演したハリソン・フォード(作品賞のプレゼンター)とハグを交わすという感動のひと幕も。

プロデューサーのジョナサン・ワンは、オスカー像を握りしめながら「多くの移民の親と同じように、若くして亡くなった父に、この賞を捧げます。彼は、私をとても誇りに思っています。この映画のためではなく、父が私に教えてくれた『人間より大切なものはない』ということを守って、本作を作ったからです。そして、ここにいる変な人たちが、これを達成するために僕を支えてくれました」と言葉を紡いだ。
一方、脚本賞、監督賞に続き、3度目の登壇となったクワン監督は「もう十分語り尽くしたと思います。皆さま、感謝しています」と述べつつ「世界は急速に変化しており、“私たちの物語”はそれに追いついていないのではないかと危惧しています。映画は数年単位、インターネットはミリ秒単位で動いていることを知ると、少し怖くなることもあります。しかし、私は“私たちの物語”に大きな信頼を寄せています。“物語”は私の人生を変えました。何世代にもわたってそうしてきたのですから、きっと乗り越えられると信じています」と語っていた。
第80回ゴールデングローブ賞では、主演女優賞(ミュージカル/コメディ:ミシェル・ヨー)と助演男優賞(キー・ホイ・クァン)を獲得。そのほか、クリティックス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)の作品賞、第75回米監督組合賞(DGA:長編映画部門)などを受賞。第95回アカデミー賞では最多となる10部門11ノミネートとなっていた。
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