A24注目の新星・長編デビュー作「aftersun アフターサン」予告編&ポスター披露 アカデミー賞主演男優賞ノミネート作品
2023年3月10日 08:00
第95回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた「aftersun アフターサン」の予告編とポスタービジュアルが披露された。
本作は、11歳のソフィが父親とふたりきりで過ごした夏休みを、その20年後、父親と同じ年齢になった彼女の視点でつづった作品。2022年、カンヌ国際映画祭での上映を皮切りに評判を呼び、A24が北米配給権を獲得。年末には複数の海外メディアがベストムービーに挙げ、毎年映画ファンが注目するバラク・オバマ元大統領のお気に入り映画にも選出された。英国アカデミー賞では英国新人賞受賞し、第95回アカデミー賞では父親役を演じたポール・メスカルが主演男優賞にノミネート。3月6日時点で、世界各国の映画賞に220ノミネートされ、71の受賞を果たしている。
脚本・監督は、瑞々しい感性で長編デビューを飾ったスコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。第89回アカデミー賞で作品賞を含む3冠に輝いた「ムーンライト」のバリー・ジェンキンスが脚本に惚れこみ、プロデューサーを務めた。ソフィ役は、半年にわたるオーディションで800人の中から選ばれた新人フランキー・コリオ。若き父親役を演じたメスカルは、リドリー・スコットの「グラディエーター」の続編「Gladiator 2(原題)」で主役の座を射止め、話題沸騰中のブレイクスルー俳優だ。
11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、ふたりは親密な時間をともにする。20年後、カラムと同じ年齢になったソフィは、懐かしい映像のなかに大好きだった父との記憶を手繰り寄せ、当時は知らなかった彼の一面を見出していく。
予告編では、11歳だったソフィと30歳の父カラムのひと夏の旅が映し出されていく。兄妹に間違えられるような若い父と思春期真っ只中の娘。普段は離れて暮らしているが、短い夏休みをトルコのリゾート地でふたりきりで過ごしていた。太陽の下、大空いっぱいに広がるパラグライダー、きらきらと美しく揺れるターコイズブルーの海。ソフィの「同じ空を見上げるっていいね、パパと離れていても太陽を見れば近くに感じられる」という言葉からは、ビデオに残された旅がいかにかけがえのない時間だったかが伝わってくる。20年後、ソフィは、ビデオテープの中の父に何を見出すのか。まばゆい数日間の大切な記憶をたどる物語が描かれる。
ポスタービジュアルは、フィルムカメラで撮られたようなざらつきのある色合いで、太陽が降り注ぐ大空を背に、サングラスで笑顔を向けるソフィとカラムが写されている。右側の少し焼けたような跡、折りたたんだ線が、年月を重ねた思い出であることを感じさせる。
「aftersun アフターサン」は、5月26日からヒューマントラストシネマ有楽町、新宿ピカデリーほか全国公開。