レスリー・チャン没後20年「流星」を特別上映 香港映画界のためにノーギャラで出演
2023年3月6日 00:00
香港の大スター、レスリー・チャンが1999年に出演した「流星」が、Bunkamuraル・シネマの「レスリー・チャン没後20年特別上映」で4月1、2日に上映されることがわかった。シネ・リーブル梅田、アップリンク京都でも4月1日に上映され、デジタル配信も同日スタートする。予告編(https://youtu.be/eZxlnHOr86M)と場面写真が披露された。
アイドル歌手としてデビュー後、「欲望の翼」「ブエノスアイレス」などで俳優として活躍したレスリーだが、2003年4月1日、46歳でこの世を去った。本作は、レスリーが父親役として主演し、プロデューサーとしても参加したヒューマンドラマ。チャールズ・チャップリンの名作「キッド」がモチーフで、失脚した元証券アナリストの男が捨てられていた赤ん坊を拾い、愛情深く育てていくなかで起きる悲喜こもごもを描いた。
1998年当時、香港はアジア金融危機の影響で映画製作が困難な状況だった。そんな中、映画監督や役者がノーギャラで映画製作に参加し、収益から配分を受け取るという「創意連盟」プロジェクトがスタート。本作は同プロジェクトの第1弾で、20人の監督が参加した中で、最終的に唯一完成した作品となった。
社会経済が低迷する中、香港の映画労働者の雇用機会のために闘っていたレスリーは、出演料なしで本作に参加。メガホンをとったジェイコブ・C・L・チャン監督は、レスリーはボランティア活動だからといってプライベートの時間を惜しむことなく、クルーの頼みなら何でも聞いてくれたと語る。
チャン監督は、レスリーと香港のペニンシュラホテルのロビーレストランで本作について初めて話した当時を振り返り、「私が簡単にストーリーを紹介すると 『あとはあなたに任せた。この映画に参加することで、香港の映画人が仕事を得て、しばらくの間困難を乗り切れることを期待している』というようなことを言ってくれました」と回想する。
2ヶ月半の撮影期間中、レスリーはアイドルや歌手としてのイメージを完全に捨て、撮影終了までボサボサの髪に無精ひげを生やして撮影に取り組んだ。撮影の待ち時間には、当時4歳だった子役のエリクソン・イップをラウンジで抱きかかえ、怪獣が子どもを襲うゲームなどをして過ごしていた。演技経験のないエリクソンと親しくなるために、レスリーはいつも撮影現場に早く来ていて、撮影後も2人の友情は続いていたという。
チャン監督は「レスリーはプロの俳優だった」と語り、「彼は言い訳をせず、常に協力する方法を見つけ出してくれました。相手方の演技や演出方法に支障があるときは、自分の演技方法を調整して相手方をリラックスさせ、双方が最高の効果を発揮できるようにした」と当時を振り返る。そして「是非、今回スクリーンでレスリー・チャンという偉大なスターを懐かしんでもらいたい」とコメントを寄せた。
「流星」は、Bunkamuraル・シネマの「レスリー・チャン没後20年特別上映」で4月1日、2日に上映。特別上映では「欲望の翼 デジタルリマスター版」も上映される。「流星」は4月1日にシネ・リーブル梅田、アップリンク京都でも上映され、同日デジタル配信開始。チャン監督のコメント全文は以下の通り。
1998年当時、香港がアジア金融危機の影響を受けて困難な状況にあったので、人々の悲しみに満ちた表情を見た時に、人々を勇気づけ、前向きに生きていけるような感動的な映画を作ろうというアイディアが生まれました。
そのベースとして選ばれたのが、チャールズ・チャップリンの1921年の作品「キッド」でした。「人生において困難に遭遇しても、楽観的になって幸せや愛する人との一瞬一瞬を大切にする」というのがテーマです。
2023年4月1日という日に、レスリー・チャンを懐かしむ人たちは、映画館でもう一度レスリーの素晴らしい演技を楽しむことができます。
「流星」はレスリー・チャンのものであり、今回の上映で「流星」はよみがえります。是非、今回スクリーンでレスリー・チャンという偉大なスターを懐かしんでもらいたいと思います。
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