「マンダロリアン」はなぜ、完璧な「スター・ウォーズ」なのか? ジョージ・ルーカスへの愛と敬意が止まらない舞台裏
2023年3月3日 09:00
「スター・ウォーズ ジェダイの帰還」のその後を描くドラマシリーズ「マンダロリアン」シーズン3が、3月1日から日米同時に、ディズニープラスで配信がスタート。孤高の賞金稼ぎ・マンドー(マンダロリアン/ディン・ジャリン/演:ペドロ・パスカル)と、フォースの力を持つ神秘の子ども・グローグーの固い絆と危険な冒険を描いた本作は、2019年に配信されたシーズン1、翌20年のシーズン2が世界中で旋風を巻き起こし、「完璧な『スター・ウォーズ』」と絶賛された。
その理由は、ジョージ・ルーカスが生み出した「スター・ウォーズ」シリーズをこよなく愛する制作陣が、「もしも、ルーカスがいま続編を作るとしたら?」という発想のもとに、ファンが愛し求める「スター・ウォーズ」らしさを追求したからこそ。ダース・ベイダーの死後も、帝国の残党が暗躍する混沌の銀河を舞台に、正史と「マンダロリアン」がクロスオーバーする瞬間が数多く仕掛けられている。
最たる例は、伝説のジェダイ騎士ルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)のサプライズ登場。さらにアニメーション作品「スター・ウォーズ クローン・ウォーズ」シリーズの人気キャラクターで、本作で初めて実写として登場したアソーカ・タノ(ロザリオ・ドーソン)、史上最強の賞金稼ぎボバ・フェット(テムエラ・モリソン)が活躍し、「スター・ウォーズ」の代名詞とも言えるライトセーバーの一種“ダークセーバー”も描かれているのだ。
シーズン1の制作時には、制作総指揮のジョン・ファブローとデイブ・フィローニが、ルーカス本人から直々にアドバイスを受けていたといい、フィローニは「脚本を書いている時に彼が来て、彼が描く世界の意図や想定と違うところは軌道修正してくれた。彼の創造した世界に携われるのは、とても栄誉なことだよ」と、当時を振り返る。つまり、本作はルーカスが思い描く世界を反映し、それを最大限のリスペクトをもって映像化した作品なのだ。
「僕はジョージ・ルーカスの創造物を尊重したいし、自分のものと感じたことはない。『マンダロリアン』は彼のための物語で、彼が創造したユニバースなんだ」(フィローニ)
本作が追求する「スター・ウォーズ」らしさは、登場人物やアイテムに留まらず、物語の土台となる脚本にも踏襲されている。脚本も手がけるファブローは「ルーカスは『スター・ウォーズ』がシリーズとして続いていくなかで、各章ごとにキャラクターに変革を取り入れていた。本作もそれにならい、章で構成した物語になっていて、各章でそれぞれのキャラクターに変化を加えながら、掘り下げていくんだ」と、ルーカス流のストーリーテリングを“継承”していると明言している。
もちろん、ファブローとフィローニ、加えて多くのスタッフ、キャストを突き動かしているのは、ルーカスが生み出した「スター・ウォーズ」への絶大な愛に他ならない。彼らは皆、「スター・ウォーズ」の熱烈なファンなのだ。
「僕はルーカスが生み出した『スター・ウォーズ』が大好きで、昔からあの世界観を舞台に、特定のキャラクターの物語を作りたいと思っていた。そしてそこに新しいキャラクターを登場させ、前からいたキャラクターと一緒に描くことで『スター・ウォーズ』のユニバースを発展させていきたいと考えていたんだ」(ファブロー)
「スター・ウォーズ」への愛と敬意から生まれ、こだわりにこだわり抜いた「完璧な『スター・ウォーズ』」である「マンダロリアン」。主人公マンドーとグローグーの運命は? ルークを超える人気キャラクターの登場はあるのか? ファンが待ち望む新たな冒険の扉が、いま開こうとしている。
「マンダロリアン」シーズン3は、ディズニープラスで配信中。毎週水曜日、新エピソードが配信される。
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