「ハムナプトラ」俳優が“復活” 新作「ザ・ホエール」監督がゾクゾクした新たな魅力とは?
2023年2月28日 12:00

ダーレン・アロノフスキー監督(「レスラー」「ブラック・スワン」)の最新作で、A24が製作・配給をする「ザ・ホエール」が、4月7日から公開される。衝撃的な巨体の主人公チャーリー役を演じたのは、「ハムナプトラ」シリーズなどで知られるブレンダン・フレイザー。ハリウッドの表舞台から長らく遠ざかっていたが、本作での熱演が評価され、第95回アカデミー賞の主演男優賞に初ノミネートを果たした。

恋人を亡くしたショックに打ちひしがれ、現実逃避をするように過食を繰り返してきたチャーリー(フレイザー)。歩行器なしでは移動もままならず、親友の看護師リズ(ホン・チャウ)に頼って生活している。病状の悪化で自身の死期が近いと悟ったことで、長らく押し込め続けたトラウマと向き合うことを決意。さらに離婚して以来音信不通だった娘エリー(セイディー・シンク)との絆を取り戻そうとする彼の最期の5日間を描く。
272キロのチャーリーに扮したフレイザーの衝撃的なビジュアルは、毎日4時間の特殊メイクと、5人がかりで着脱しなければならないほど重いファットスーツで作り上げた。かつての面影は、印象的な青い瞳にしか残っていないほどの大変身を遂げている。
アロノフスキー監督が映画の原案である同名舞台劇と出合ったのは2012年だが、フレイザーを主役にしようと決めたのは、それから約10年後だった。「ブレンダン・フレイザー 復讐街」(06)での演技を見て「とてつもない深みを持った人を探していたんだけど、この作品の彼を見て、嬉しさのあまり顔を輝かせたんだ」と当時の喜びを振り返る。

映画化が正式に決定する前に行われた第1回目の本読みで、アロノフスキー監督は「最初の瞬間からゾクゾクした。これは絶対に映画になると確信したし、絶対にブレンダンと作りたいと強く思ったんだ」と魔法のような瞬間を過ごしたと明かしている。
鬼才監督をも魅了したフレイザーだが、「撮影前に怖気づいていたことは認めるよ。この役を演じるのがすごく怖かった」と正直に話している。
昨年、世界で映画が公開されてからは、フレイザーの熱演とカムバックを評して、ブレンダンとルネッサンスを合わせた「Brenaissance(ブレネッサンス)」という造語が誕生し、長らく表舞台から離れていた彼の復活を祝うファンからの熱い声がムーブメントとなっている。本作を手掛けたA24も、このブレネッサンスを宣伝プロモーションの一つの軸として大きく打ち出し、最近ではブレンダンの輝かしい経歴や彼を慕う人々の声を集めた冊子を作成するなど、精力的に展開している。
劇中のチャーリーと同様に、テレビ出演時や授賞式で見せる温かい人柄と涙もろい性格も話題となり、さらに人気が高まっているブレンダン。ちなみに、トーク番組に出演した際、司会者に「ブレネッサンスという言葉をどう思う?」と質問されると、「笑っちゃうよね。この言葉を聞くたびに天井を見上げて、これまで自分が演じてきたキャラクターを想像してしまうんだ。『ハムナプトラ』のリック・オコーネルや、ジャングル・ジョージをね。でも、みんなが僕を呼んでくれる限り、どんな呼び方でも嬉しいよ」と照れながら感謝を述べている。
以前より悪役での出演が予告されていたDC映画の「バットガール」はお蔵入りしてしまったが、今後も巨匠マーティン・スコセッシ監督の最新作「Killers of the Flower Moon(原題)」でレオナルド・ディカプリオとの共演が控えているなど、まだまだ快進撃が続きそうだ。
「ザ・ホエール」は4月7日からTOHO シネマズ シャンテほか全国公開。
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