男性同性愛が禁じられた時代のドイツで「愛する自由」を求めた男の闘い 「大いなる自由」新オープンBunkamuraル・シネマで公開
2023年2月9日 12:00

2021年カンヌ国際映画祭ある視点部門審査員賞受賞、2022年アカデミー賞国際長編映画賞オーストリア代表作品「Great Freedom」が、「大いなる自由」の邦題で、6月に新オープンするBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下で7月7日公開される。
Bunkamuraル・シネマの編成担当が「見過ごされてはならない映画」だとして、自社買付・初の全国配給を決めた本作は、第2次大戦後ドイツで男性同性愛を禁ずる「刑法175条」のもと、「愛する自由」を求め続けた男の20余年にもわたる闘いを描く静かな衝撃作。
1871年から1994年までの123年間施行された刑法175条はナチス時代に厳罰化され、処罰者は14万人にも及んだ。自身の性的指向を理由に繰り返し投獄される主人公ハンスを演じたのは、ダンサー・振付師でもあるフランツ・ロゴフスキ。非人道的な法に踏み躙られながらも愛を諦めないハンスの、消えない炎のような魂を、少ない言葉と雄弁な身体で表現する。当初は同性愛者であるハンスを嫌悪しながらも、次第に心をほどいていく殺人犯ヴィクトールを演じたのは、演技派ゲオルク・フリードリヒ。 刑務所という特殊な環境下で育まれる唯一無二の関係性を、絶妙な距離感で具現化し、海外メディアから「言葉はいらない。この二人がいればいい」 (DEUTSCHLANDFUNK KULTUR) 、「傑出した俳優たちによる、力強く忘れがたい物語」 (POLYESTER FRANCE)などと称賛された。
(C)2021FreibeuterFilm•Rohfilm Productions監督・脚本は、オーストリア人監督のセバスティアン・マイゼ。各国映画祭で高く評価された長編デビュー作「Still Life」(11・未)以来の劇映画となる。撮影監督はセリーヌ・シアマ監督作「トムボーイ」(11) や「ガールフッド」(14)などのクリステル・フルニエ。「レンブラントの絵画のような美しさ」(SCREEN DAILY) 、「深遠なる官能」(Little White Lies)と評され、映画批評サイト「Rotten Tomatoes」では97%フレッシュという高評価を獲得(2月7日時点)。その後日本公開に先んじて同タイトルで上映された2022年レインボー・リール東京でも「超絶大傑作」「あまりに衝撃的なラスト」「どっと涙が出て困った」など絶賛が相次ぎ、劇場公開を望む声が多く寄せられた。
7月7日からBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国順次公開。
第2次世界大戦後のドイツ、男性同性愛を禁じた刑法175条の下、ハンスは自身の性的指向を理由に繰り返し投獄される。同房の殺人犯ヴィクトールは「175条違反者」である彼を嫌悪し遠ざけようとするが、腕に彫られた番号から、ハンスがナチスの強制収容所から直接刑務所に送られたことを知る。己を曲げず何度も懲罰房に入れられる「頑固者」ハンスと、長期の服役によって刑務所内での振る舞いを熟知しているヴィクトール。反発から始まった二人の関係は、長い年月を経て互いを尊重する絆へと変わっていく 。
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