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フランソワ・オゾンが語る「まぼろし」「スイミングプール」脚本の亡き友への思い ソフィー・マルソー主演作「すべてうまくいきますように」

2023年2月3日 16:00

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フランソワ・オゾン監督と主演のソフィー・マルソー
フランソワ・オゾン監督と主演のソフィー・マルソー
(C)2020 MANDARIN PRODUCTION – FOZ – France 2 CINEMA – PLAYTIME PRODUCTION – SCOPE PICTURE

フランソワ・オゾンの新作で、フランスの国民的俳優ソフィー・マルソー主演作「すべてうまくいきますように」が公開された。安楽死を巡る父娘の葛藤を描く物語で、第74回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品された。このほど、オゾン監督が本作を語るインタビューが公開された。

――本作は作家であり、「まぼろし」「スイミングプール」などあなたの作品の脚本を手掛けたエマニュエル・ベルンエイムの自伝的小説が原作です。ベルンエイムとの出会いについて教えてください。

エマニュエルとは、当時のエージェントを通じて、2000年に出会ったんだ。「まぼろし」の最初の15分の撮影を終えていたが、製作と資金繰りの理由から撮影は待機中になっていた。その脚本にしろ、最初の映像にしろ、誰も気に入ってくれなくてね。そこでエージェントが、脚本の書き直しのために、エマニュエル・ベルンエイムに会ったらどうかと提案したんだ。彼は僕たちの気が合うと感じ、実際、その通りになった。すぐに意気投合して、友達になったんだ。

――今作の原作「Tout s'est bien passe」を読まれて、まずどんな反応をされましたか?

彼女から本のゲラを受け取り、彼女と父親がどんな経験をしたか知って、とても心を動かされた。本のリズム、トーン、加速するエンディング、クライマックスの緊張感はまるでミステリ小説を読んでいるようだった。当時、エマニュエルはこの本の映画化に興味があるかと僕に尋ねたんだ。美しい映画になる確信があったけれど、あまりにも彼女自身に密着した内容だったし、その時点では、どうやって自分のものにできるか僕にはわからなかった。その後、他の映画製作者たちが関心を持ち、映画化権にはいくつもの申し入れがあった。アラン・カバリエが選ばれたことは彼女から知らされていたが、エマニュエルの癌のために、その企画は残念ながら実現しなかった。

画像2(C)Jean-Claude Moireau
――このタイミングで映画化を考えた理由を教えてください。

エマニュエルの死、彼女の不在によって、もう一度彼女と共にいたいと感じたから。それにたぶん、人生経験を積んで彼女の物語により深く没頭できるようになったと感じたからかな。映画化する本については時間が必要なことが少なくない。熟成させ、どうすれば自分のものにできるか考えるためにね。

それと、僕はソフィー・マルソーと仕事がしたかった。これまでに彼女にはいくつか脚本やアイデアを売り込んだし、顔を会わせる機会もたくさんあったけれど、具体的に話が進んだことがなかったんだよ。直感的にこれが最後のふさわしい機会、ふさわしい企画だと感じた。それで彼女にエマニュエルの本を送ったら、彼女は気に入ってくれた。それで僕は脚本執筆を始めたんだ。

画像3(C)2020 MANDARIN PRODUCTION – FOZ – France 2 CINEMA – PLAYTIME PRODUCTION – SCOPE PICTURE
――長い間、ソフィー・マルソーと仕事をしたいと望まれていたのですね。

ソフィー・マルソーは僕の世代を象徴する女優だ。僕は彼女と共に育ったようなもので、彼女にはいつも関心を持っていたんだ。50代初めになった今の彼女を撮影するのは楽しかったよ。本作は彼女についてのドキュメンタリーのような側面もある。『まぼろし』がシャーロット・ランプリングについてそうだったようにね。彼女は何も取り繕わない。その場の空気を感性で感じ取り、それを表現する。

――アンドレ・デュソリエに彼女の父親である「手に負えない老人」を演じさせることにした決め手を教えて下さい。

アラン・レネ作品のアンドレが大好きなんだ。それにロメールの「美しき結婚」の彼もね。彼はすぐにこの物語に夢中になって、すぐさまこのキャラクターを理解した。さりげないユーモアを大いに気に入り、好きにならずにいられないような厚かましさを役柄にもたらしたんだよ。アンドレの正確さ、リアルな脳卒中を演じようというこだわり、彼らしい話しぶりのすべてが役柄を膨らませてくれたよ。自分の見た目がどうなろうが尻込みしなかった。頭を剃らせてくれたし、人口装具で顔を変形させてもくれたんだ。

――ジェラルディーヌ・ペラスと仕事をされるのはこれで3回目ですね。

ソフィーの妹にはすぐジェラルディーヌを思いついたよ。彼女たちの経歴は似ているから、2人を姉妹と想像しやすかった。どちらもクロード・ピノトーとの仕事から始めて、若い頃にモーリス・ピアラと仕事をしているね。ジェラルディーヌとまた組めて本当に嬉しかったよ。彼女はいつだって、僕の意図をすぐに理解してくれるんだ。彼女はすぐにパスカルというキャラクターに入り込み、彼女とソフィーは本物の化学反応を見せていた。とても異なっている2人なのに、見事に相性が良くてね。

また、彼女たちの母親を演じてもらうなら、シャーロット・ランプリングは選ばれて当然だった。出番は多くないが、彼女の存在はとても重要なんだ。僕たちは「まぼろし」を通じてエマニュエルに思い入れがあったしね。

――スイスの女性を演じるハンナ・シグラについてはいかがですか?

ハンナには何年も前にハンブルク国際短編映画祭で出会った。彼女は僕にダグラス・サーク賞をくれたんだ! 女優としてのハンナを賞賛しているんだよ。ファスビンダー作品の彼女が大好きなんだ。最初、彼女にはスイス訛りのドイツ語を話すよう頼んだけれど、あまりなじまなかったんだ。それに、彼女の声のトーンとフランス語を話す時の柔らかなドイツ語訛りが大いに気に入ったからね。僕はこう言ったよ。「スイス訛りのドイツ語は忘れて。君はスイスで働くドイツ女性だ」とね。

――映画が完成した、今のお気持ちをお聞かせください。

この物語を語ることができて嬉しいが、今でもエマニュエルがここにいてくれたらと思わずにいられない。この映画を彼女にぜひとも見せたかったよ。彼女はとても率直で、正直で、その意見はいつも当たっていた。彼女が伝えてくれる意見はいつだって僕の作品において重要なものだったんだ。本作によって観客がエマニュエルの原作を読んだり、再読したくなったりするだろうと思うと、嬉しいよ。

すべてうまくいきますように」は、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、Bunkamuraル・シネマほかで公開中。

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