マーゴット・ロビー「今までで最も誇れる仕事」 生き様に魅了された「バビロン」気鋭の女優役を語る
2023年2月2日 10:00
「ラ・ラ・ランド」のデイミアン・チャゼル監督最新作「バビロン」の特別映像が披露された。気鋭の女優ネリー・ラロイを演じたマーゴット・ロビーが、役柄への思いを語っている。
本作の舞台となるのは、ゴールデンエイジ(黄金時代)と呼ばれた1920年代ハリウッド、サイレント映画からトーキー映画へと移り変わる時代。富と名声、野心に彩られた映画業界で夢を叶えようとする男女の運命を描く。「ラ・ラ・ランド」の音楽を担当したジャスティン・ハーウィッツが楽曲を手掛け、第95回アカデミー賞では作曲賞、美術賞、衣裳デザイン賞にノミネートしている。
ロビーが演じたネリー・ラロイは、誰もが大きな夢を追うギラギラした1920年代のハリウッドで、一躍トップスターへと昇りつめながら、破滅と隣り合わせの危うさのなかを進んでいく、才能と魅力に満ちた新進気鋭の女優だ。
特別映像内では、ロビーが「こんな親近感のある役は初めて」「今までで最も誇れる仕事よ。人生においてもね」と特別な思い入れを明かし、共演したブラッド・ピットも「彼女は自然体だ」とロビーの役柄との調和を称えている。
チャゼル監督は、10年以上かけて作り上げたネリー・ラロイに命を吹き込める最適な人物を探すことを重要視し、どのキャラクターよりも先にキャスティングを行ったそうで、「ネリーのような役には、恐れを知らない役者が必要だ。まるでスクリーンを両脇から掴んで揺さぶり、やりたいようにやれる役者がね。それが僕にとってはネリーであり、そしてマーゴットだった。他の多くの点で彼らは全く異なるタイプの人間だが、二人に共通するエネルギーや熱意、渇望がある」と、ロビーにオファーした理由を説明する。
脚本を初めて読んだ際に、ロビーも「“絶対にやらないと。この役は私のものよ”って。あまりの熱意に、私のチームが少し懸念したほどよ」とネリーの生き様に魅了されたことを明かす。
成功をつかむ大スターが次々に登場した傍らで、ひとたび堕ち始めてしまうと瞬く間に滑り落ちる――。当時の激動すぎるハリウッドでは、明るく燃え、激しく堕ちていったサイレント映画のスターが多く、ジャンヌ・イーグルス、アルマ・ルーベンス、セルマ・トッド、メアリー・ノーラン、さらに当時としては珍しいワイルドなロングヘアが特にインスピレーションの源となったリア・ラプッティなど、ネリー役は多くの名女優を参考にしている。
そのなかでも、ネリーのモデルとして大部分を占めたのが、1920年代に創設されたアカデミー賞の第1回作品賞を受賞した「つばさ」にも出演している名女優であり、サイレント映画時代の最大のセックス・シンボルとしても愛されたクララ・ボウの物語で、ロビーもネリーという役柄を理解する上で大きな助けとなったという。
「クララ・ボウは、おそらくこれまで聞いた中で最もひどい子ども時代を過ごした人だと思う。クララの両親は彼女のために出生証明書を取得しなかった。すでに二人の子どもを亡くしていて、彼女も生き長らえると思わなかったから。それを読んだとき、ネリーというキャラクターを理解できるようになった。この地球で過ごす日々はいつ終わってもおかしくないと感じていたから、毎日全力で立ち向かっていたのだと想像できたの」(ロビー)と、ボウの壮絶な人生に共鳴し、難役を体現。
下着を身につけず、デニムのサロペット姿で弾けまくるカットも印象的なネリーだが、クララ・ボウも同様の装いで過ごしていたことで知られており、内面も外見も、この時代を生きた女優として紛うことなき名演を見せつけている。
「バビロン」は2月10日から公開。