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【「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」評論】過酷な戦場を水域へと移した、キャメロンの集大成

2022年12月18日 12:00

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「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」
「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」
(C)2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

商業映画は技術の発展によってクリエイティビティを阻む要素が減り、設定や規模が大型化の傾向をたどってきた。だが、ここまで真にスケールのでっかいものは、そうお目にはかかれない。前回「アバター」(09)でいかなる創造をも可能にするデジタルのプラットフォームを築いたジェームズ・キャメロンの新作は、同作でナヴィとして生きることを選択した主人公ジェイク(サム・ワーシントン)とネイティリ(ゾーイ・サルダナ)のその後を、映像進化の成果を投じてまざまざと見せつける。

地球に迫る滅亡問題によって、人類の衛星パンドラへの依存は緊急性を増し、同時に抵抗者ジェイクに対する私怨は、アバタープログラムの応用でナヴィとして甦ったクオリッチ大佐(スティーブン・ラング)の復讐を実行へと向かわせる。映画は故郷を追われたジェイク一家がメトケイナ族の統べる海の楽園に移り、先住民や高度な知能を有する海棲生物との接触を経て、彼らを争いに巻き込んでしまう民族的悲壮を描きだす。キャメロンは前作をあらゆる面で拡張させ、物語の舞台を「アビス」(89)そして「タイタニック」(97)などで挑んだ水域に定め、同じ世界を反復するような退屈なアプローチを避けている。加えて諸作で得た水中撮影のスキルをパフォーマンスキャプチャーやバーチャルプロダクションに適合させ、挑戦の難しいシチュエーションを征服しようと試みているのだ。

またキャメロンらしさの主張はそれだけではない。テクノロジーの過剰な干渉がエコへの悪害を招く、そんな警鐘は今回も鳴りを響かせ、また孤独の戦いを宿命づけられた戦士が「護るべきもの」の存在を得て家族愛へと帰結するところは、「ターミネーター」(1984)や「エイリアン2」(86)を彷彿とさせる。そうした点で本作には、キャメロンの集大成のような印象を覚えるだろう。しかもフィルモグラフィを更にくだって習作「Xenogenesis」(78)や「殺人魚フライングキラー」(82)と見紛う多足パワードスーツや飛魚までも登場するのだから、まさに総ざらいだ。ミリタリー描写へのフェティッシュなまでのこだわりも健在で、そのパワーバランスの狂った過剰さもキャメロンならではだろう。

他にも実写とアニメーションの中域にとどまっていたCGキャラクターは、13年間という隔世を感じさせるほどに実在感を増し、またドラマパートとアクションパートで使い分けたハイフレームレートの新効果も、クライマックスにはその規則を越境し、3Dに併せて精密に映し出される情景が、ドラマのタッチをより迫真的なものにしている。ひいてはタイトルの“ウェイ・オブ・ウォーター”が持つ真意に、我々は心から納得させられるのだ。長いロードマップの敷かれた「アバター」プロジェクトだが、この続編が単体でもたらす充足感は半端なものではない。

(尾崎一男)
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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター
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