皆さんこれです、これが続編の正しい姿です!!!「真・事故物件パート2 全滅」【人間食べ食べカエルのホラー映画コラム】
2022年12月17日 20:00

Twitterのホラー界隈で知らぬ者はいない人間食べ食べカエル氏(@TABECHAUYO)によるコラム「人間食べ食べカエル テラー小屋」では、“人喰いツイッタラー”が配信中のオススメ作品を厳選し、その見どころを語り尽くす! 今回は、12月16日(金)~12月18日(日)にシネマ映画.comで《公開直前プレミア配信》されるオソレゾーンセレクト作品「真・事故物件パート2 全滅」の魅力をアツく語ってもらいました。
2022年、あるホラー映画が彗星のごとく現れた。その作品の名は「真・事故物件 / 本当に怖い住民たち」だ。どこかで聞いたことのあるようなタイトルだが、それよりも「実在する呪われたアパートで起こった住民全滅事件」というインパクトのあるキーワードと、「ゴア表現の限界に挑んだ」という文字列が目を引いた。また、作品を手掛けるのは、「骸 MUKURO」や「星に願いを」等で残酷描写に定評のある佐々木勝巳監督という事もあり、実は発表当時から気になっていた。
そしていざ本編を鑑賞したら、これが本当に面白かった。監督の代名詞でもあるゴアシーンは相変わらず凄まじく、口から内臓物が出続けるなど強烈な血みどろ表現が炸裂する。それだけでなく、特に序盤では建物が放つ瘴気や心霊的な表現などホラー演出も冴え渡る。これは「心霊パンデミック」シリーズ等の心霊ビデオに携わってきたことで培ったものかと思われる。また、登場人物たちの各方面に棘を刺しまくる言動、そして被写体の美しさを存分に引き出す撮り方も強く印象に残った。イタリアンホラーへのオマージュも満載で、正しくホラー全部乗せの非常に楽しい作品であった。

この1作目は観た人なら分かると思うが、かなり綺麗に終わった。思わず「やったぜ!!」ってなるようなエンディングだ。なので、もうこれっきりかと思っていたが、まさかの続編製作発表。しかも2022年内に公開! この展開とスピードには驚いた。果たして「今回は一体……」と思いながら観たら、これがまた素晴らしい快作だったんです!
前作の生存者がアパートを脱出後、豪快にトラックに轢かれて爆発四散するところから物語は始まる。開始早々に漫★画太郎のオチが炸裂するみたいなフルスロットルぶりで凄い。その後は、前作で示された方向性を、前半では一旦裏に隠しながら、新たな登場人物たちにフォーカスしてその人となりを描いていく。この工程によって、彼らを単なる肉だるまではなく、生きたキャラクターに仕上げていく。丁寧な前半があるからこそ、後半以降に超アクセルを踏み込んで引き起こされる大殺戮劇がより楽しいものになる。

アホを極めた迷惑系ユーチューバーやホンワカした空気をまとう女性ユーチューバーなどが続々投入。今回も主に配信系の皆さんが犠牲になってくださいます。そして、前作から続投する小野健斗さんは、今回は全編にわたって大活躍。シーンによってガラっと変わる表情と演技で不穏を振りまいて、観る者を惑わせ、世界観に引き込んでいく。小野さんの更なる変幻自在っぷりに驚かされること請け合いだ。

そんなこんなでお膳立てが整ってからは、いよいよ本番(大惨劇)に突入する。本作第一の犠牲者が出てからは、もう止まることを知らない。前作より人が増えた分、犠牲者も増える。犠牲者が増えるという事は、よりゴアシーンが増える!! 皆さんこれです、これが続編の正しい姿です!!! どのようなシチュエーションで血みどろになるのかはここでは明かさないが(超ネタバレになるので)、一つ言えるのは、後世に残る死に方がまた見られます。それも複数! 画面いっぱいに映る死骸の素敵なこと素敵なこと。観たかったものを適切に画面に映してくれることのありがたさが身に染みる。更に今回は、前作以上にバトル成分も増しており、よりエンタメ映画としての楽しさが上がっているのも嬉しいところだ。

本作は、世界観を広げつつも、ストーリーの軸をよりシンプルにして、血みどろバトルに振り切った構成がとても良かったと思う。70分という短い尺の中で無駄なくキャラクターを捌き、そいつらをゴアという共通のゴールに向かわせていく。あとは容赦なく人体破壊を放っていくのみ。ちょいちょい配給会社の小ネタを挟む遊びをやりつつも、基本余計なものは入れずに殺戮をやっていくストロング・スタイルがとても素晴らしいです。今回も楽しい死に様をお腹一杯に堪能しました。本当にありがとうございます。ちなみに本作は12月23日公開スタート。ということは、今年のクリスマスの予定はこれで決まりですね。皆さん、よいサイレントナイト・ゴアナイトをお過ごしください!

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