二宮和也、“息子”演じた寺尾聰に感謝 主演作「ラーゲリより愛を込めて」興収20億突破狙う好スタート
2022年12月9日 19:56

二宮和也が12月9日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた主演作「ラーゲリより愛を込めて」の初日舞台挨拶に登壇した。シベリアの強制収容所(ラーゲリ)に抑留された実在の日本人捕虜が、周囲に希望をもたらす伝記映画。「熱のこもった作品。つらく悲しい、重たいシーンもありますが、その先にある絆や愛が温かく染み入ってくれたと信じております」と鑑賞後の客席に呼びかけた。
原作は作家・辺見じゅん氏のノンフィクション小説「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」。第2次世界大戦後の1945年、シベリアの強制収容所に抑留された日本人捕虜たちが過酷な状況下に置かれるなか、山本幡男(二宮)は日本にいる妻や子どもたちのもとへ必ず帰れると信じ、周囲の人々を励まし続ける。山本の仲間思いの行動と力強い信念は、多くの捕虜たちの心に希望の火を灯していく。

舞台挨拶には二宮をはじめ、妻・モジミ役の北川景子、共演する松坂桃李、中島健人、桐谷健太、安田顕、瀬々敬久監督が出席した。二宮は「この作品、単純にめちゃくちゃ芝居がいいなと。芝居の良さ、うまさはどこを切っても自信をもって見ていただける。日本映画っていいなと思ってもらえるクオリティだと思う」と豪華共演陣をたたえ、改めて作品の完成度に胸を張った。

この日は山本幡男の息子・顕一さんの壮年期を演じた寺尾聰から音声メッセージが到着。およそ30年前、小説がドラマ化された際に山本幡男を演じ、二宮とはドラマ「優しい時間」で親子役を演じた縁もあり、「今回、本当に短いシーンではありますが、ニノの主演作の応援が少しでもできればと思い、出演させていただくことになりました。青年だったニノも、桃李も今や日本映画界を代表する俳優になって、いつも遠くから見ていて、うれしく思っていました」とその成長ぶりに感激しきり。二宮は「寺尾さんは『お前が出ているなら、自分は行くよ』と言ってくださっていた」と感謝を示した。
また、顕一さん本人から届いた手紙が、寺尾の代読によって紹介され「二宮和也さんの姿は、父・幡男にそっくりで、驚きました。何気ない仕草や表情が、私の記憶している父を彷ふつさせるのです。その二宮さんが山本幡男を『偉人』としてではなく、『普通に生きた一人の男』として演じられたことは、私にとって非常に好ましくうれしいことでした」と喜びの声。心のこもった手紙の内容に、二宮は「息子さんにそう思っていただけて、うれしいです」と笑顔を見せていた。

舞台挨拶の最後には、抑留者たちと生活を共にしていた黒毛の犬・クロ(本名・大吉)も登場した。全国352館で封切り。東宝によると、初日成績が瀬々監督の「糸」(2020年8月21日公開/興収22.7億円)対比100%を記録しており、興収20億円突破を狙える好スタートを切っている。
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