「ザ・メニュー」食欲を誘うイベント開催 飯島奈美氏が明かす、「南極料理人」伊勢海老フライの裏話も
2022年11月11日 17:00
レイフ・ファインズ、アニヤ・テイラー=ジョイ、ニコラス・ホルトが共演する「ザ・メニュー」のトークショー付き試写会イベント「WELCOME TO "THE MENU" NIGHT」が11月9日、都内で開催された。「南極料理人」「海街diary」など、数々の映像作品内の料理に携わってきたフードスタイリストの飯島奈美氏が登壇し、本作と映画の中にでてくる料理の魅力をより深く堪能できるトークを展開した。
HBOのドラマシリーズ「メディア王 華麗なる一族」で注目されたマーク・マイロッド監督がメガホンをとった本作は、孤島にある高級レストランに隠された秘密が明らかになっていく様を描いたサスペンス。
数々の映像作品に出てくる実際の料理を担当してきた飯島氏は、本作について「料理の作り手としては、本作のシェフは極端ですけど気持ちはわかる気もします」「全身全霊を捧げて、素材選びから料理を作って、その一皿を出すために色々なことをするわけです。人が作っているものを食べているということを忘れちゃいけないな、野菜を作る人がいて、それを作るシェフがいて、と想像力を働かせて感謝して食べなきゃいけないなと改めて思いましたね」と感想を話す。
劇中の印象的だった料理については「牡蠣とミニョネットソース(お酢とエシャロットを混ぜた酸味のきいたソース)のレモンキャビア添え」をチョイス。レモンキャビアという聞きなれない食材について「丸いつぶつぶの入っているレモンで、香りもキャビアみたいな感じです」と解説。
梅干し、昆布、あおさといった日本の食材が使用された料理も登場したことについては「実際に本場のフランス料理にも日本の食材が使われることがあるのですが、和食でもフレンチマスタードを使った酢味噌を使うことがあり、フレンチと和食は近づいている感じがしますね。梅干しって結構、梅と塩だけで漬けているのが少なく、一般的にはしょっぱすぎると懸念されますが、本作のシェフがどのレベルの梅干しを使っているのか気になりました。なんだかんだ甘くて減塩しているやつなのかな?ハチミツを使っているのかな?と気になっちゃいました(笑)」と話していた。
本作で提供される数々の料理は、三つ星シェフのドミニク・クレンが脚本を読みながら考案した。飯島氏も「季節とか家庭環境、どのくらい食材にお金が使えるのか、色々な設定が書かれているので、『こういうもの食べていたらいいだろうな』とかを想像して監督に提案しています」と語る。
「南極料理人」では“伊勢海老のフライ”が印象的に描かれており、飯島氏は「中心は半ナマで食べられるものを買って、値段も高いので1人3尾でお願いしますと決めていました。予算もあるのでリテイクが重なると難しく……」「漫画っぽいけどすごくインパクトのあるシーンになりました。あれも監督と相談してあのような形になりました」と舞台裏を明かした。
イベントが行われた会場の装飾は、「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」で「ウェス・アンダーソンの世界展」を、「ナイトメア・アリー」で「ナイトメア・アリーへようこそ」に携わったDIZ氏、haruca氏によるコーディネートが施された。
本作を紹介するプチパネルの展示、そしてポスタービジュアルのシチュエーションを再現したフォトスポットの前にはキーアイテムとなる本物の“チーズバーガー”が用意されるなど、参加者を楽しませるさまざまな仕掛けが施された。
「ザ・メニュー」は、11月18日からTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開。
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