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セザール賞7部門受賞、オノレ・ド・バルザック原作「幻滅」2023年公開

2022年11月4日 17:00

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バルザックが描く現代社会に通ずる物語
バルザックが描く現代社会に通ずる物語
(C) 2021 CURIOSA FILMS GAUMONT FRANCE 3 CINEMA GABRIEL INC. UMEDIA

19世紀フランスを代表する文豪、オノレ・ド・バルザックが書き上げた「幻滅 メディア戦記」を、グザビエ・ジャノリ監督が映画化、セザール賞において作品賞含む最多7冠を受賞した「Illusions perdues(原題)」が、「幻滅」の邦題で2023年公開される。

オノレ・ド・バルザックが冷徹に描いたのは、社会を俯瞰し、そのなかで翻弄されるさまざまな人間像。「幻滅 メディア戦記」は、文豪が44歳で書き上げた「人間喜劇」の一編だ。

舞台は19世紀前半。恐怖政治の時代が終わり、フランスは宮廷貴族が復活し、自由と享楽的な生活を謳歌していた。文学を愛し、詩人として成功を夢見る田舎の純朴な青年リュシアンは、憧れのパリに、彼を熱烈に愛する貴族の人妻ルイーズと駆け落ち同然に上京する。だが、世間知らずで無作法な彼は、社交界で笑い者にされる。生活のためになんとか手にした新聞記者の仕事において、恥も外聞もなく金のために魂を売る同僚たちに感化され、当初の目的を忘れ欲と虚飾と快楽にまみれた世界に身を投じていく。

主演のリュシアンを演じたのは、フランソワ・オゾンの「Summer of 85」で日本でも大きな注目を浴びたバンジャマン・ボワザン。オゾン作品とは打って変わり、初のコスチューム劇で、純粋な青年が野心と欲望に惑わされ堕落していく過程を見事に演じきった。また、リュシアンの先輩格として彼を教育していく、ジャーナリストを演じるのは、「アマンダと僕」のバンサン・ラコスト。私欲にまみれた人々のなかで唯一、誠実にリュシアンを見守る作家のナタン役は、監督としても世界的な人気を誇るグザビエ・ドラン。そのほかセシル・ドゥ・フランス、新星サロメ・ドゥベル、わきを固めるのはフランスの国民的スター、ジェラール・ドパルデュージャンヌ・バリバール。そして、本作が遺作となったジャン=フランソワ・ステブナンらフランス国内外の実力派が勢揃いした。

打算的な人々が集まり、生き馬の目を抜くようなパリの都とマスメディアの世界で、現代でいうフェイクニュースやステルスマーケティングがこの時代から横行していた事実に驚かされるだろう。学生時代からバルザック作品を映画化したいと望んでいたジャノリ監督はそんな現代的な要素を強調しながら、本作を風刺に富んだ、極上のエンターテインメントに仕上げた。

「わたしはとても肉体的な感覚や刺激を映画に持ち込みたかった。サロンの人々の動き、パリの異なるエリアの大衆の猥雑とした雰囲気、あるいは時代が移り変わっていくそのスピード、そういったダイナミックなムーブメントを生み出しながら、ここに登場する人々の人生、悲劇と喜劇を結びつけたいと思ったのです」とコメントしている。


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