「かりあげクン」連載42年目で初の実写ドラマ化 かりあげクン役に戸塚純貴、脚本はヨーロッパ企画
2022年10月26日 05:00
植田まさし氏の4コマ漫画「かりあげクン」(双葉社刊)が実写ドラマ化され、2023年1月7日午後11時からBS松竹東急(BS260ch/全国無料)で放送されることが決定した(全12話)。主人公のサラリーマン「かりあげクン」こと、かりあげ正太を「恋なんて、本気でやってどうするの?!」「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」の戸塚純貴が演じる。
ドラマ版「かりあげクン」は、BS松竹東急のオリジナルドラマ枠「土曜ドラマ」の第4弾として放送。原作連載開始から42年の歳月を経て、初の実写ドラマ化となる。複数のショート作品を組み合わせて1話を構成した痛快ドタバタコメディドラマで、「ジェネレーションギャップ」や「各種ハラスメント」といった社会的なトピックを、空気を読まないイタズラ好きのかりあげクンが、天才的な発想で笑いに変えていく。
脚本は「サマータイムマシン・ブルース」「曲がれ!スプーン」などで知られる、京都を中心として活動する劇団「ヨーロッパ企画」が担当。シリーズ構成を橋本尚和が務め、劇団主宰・上田誠も脚本協力として参加する。
以下に戸塚と、BS松竹東急の長原竜也プロデューサーからのコメントを掲載する。
・連続ドラマ主演ということで主演の話を聞いたときのお気持ちをお聞かせください。
主演という大役をいただき大変光栄に思いましたし、何よりこの長きにわたり多くの方々に愛されているかりあげクンを自分が演じられることがとてもうれしかったです。
関わる人全てがかりあげクンのイタズラに翻弄されていく様が面白く描かれていて、シュールで独特の世界観に引き込まれていきました。
誰かに嫌がらせをすることに天才的な才能がある笑わない男なので、やっていることと、ポーカーフェイスで飄々とした表情とのバランスが難しいところだと思います。悪人に見えてはいけないし、善人にみえてもいけないとも思っていて。表情と行動が読み取れない掴みどころのなさは、かりあげクンの魅力的なところでもあるので繊細に演じていきたいところです。
パッと思い浮かんだのは、天邪鬼。人の心を見計らってイタズラを仕掛ける。逆を言えば人の気持ちをすごく読み取れる人だと思います。だからかりあげクンの周わりには人が集まって来るんだと思います。
僕もお芝居の中であえて違うことをやってみて周りを困らせたい衝動に駆られることが多々あります。監督やスタッフ、お客さんを驚かすという意味ではとても精神が似ていると思います。役者としてかりあげクンの生き様は勉強になります。かりあげクンを知れば知るほど共通点がたくさんあります。
作品によって役を作る際に監督とイメージを話し合って作り込んでいくことが多いのですが、今回はディティールがハッキリしているので監督、プロデューサー、大勢の方に見守られながら断髪したのは新鮮でした。みんなで作り上げた渾身のかりあげに身が引き締まりました。
今回本当に素晴らしいキャストの方々に囲まれて、僕もかりあげクンも幸せです。僕が代わりに皆さんの日々のストレスを、一番目立たない感じで目立つ万年平社員のサラリーマン、かりあげクンとして少しだけでも昇華できたらうれしく思います。働くすべての人たちへエールを送りたい、なんておこがましいですが、日常の中に遊び心を。
ブルの最後をかじった「新人類」と呼ばれた我々のサラリーマン人生も気づけば定年が見え始めたところ。平成生まれZ世代の若手社員たちと話が合うはずもなく「最近の若い奴は……」と自分がその昔上司から言われた言葉をそのまま彼らにぶつけられないので心の中で呟く毎日です。
今回ドラマ化するにあたり膨大な原作を全て読み返しました。時代、言葉、文化は変われどそのなかで全くブレないかりあげクンこそ、いつの世にも存在し愛され求められてきた理想のサラリーマンかもしれません。
そして時代は令和。熱血社員、残業、飲みニケーションと廃れていくもの、ネット社会、ハラスメント、韓流ドラマ、スマホ、新たに生まれたものの間で右往左往する全世代サラリーマンたちを愛情と風刺を込めて描きます。令和版新? シン? 「かりあげクン」ご期待ください。
現在絶賛撮影中。達者な俳優陣のお芝居に現場は日々笑いに包まれております。
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