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【ネタバレ解説】映画「るろ剣 最終章 The Final」壮絶ラストバトルにこめた意味とは?

2022年10月14日 19:00

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画像1(C)和月伸宏/ 集英社 (C)2020 映画「るろうに剣心 最終章 The Final」製作委員会

佐藤健さんが主演し、大友啓史監督がメガホンをとった大ヒット映画「るろうに剣心」シリーズの完結編「るろうに剣心 最終章 The Final」が、10月14日午後9時から日本テレビ系「金曜ロードショー」で放送されます。

主人公・緋村剣心(佐藤さん)と、宿敵・雪代縁(新田真剣佑さん)がぶつかり合う壮絶な“ラストバトル”が最大級の見どころ。クライマックスや結末に待ち受けるアクションの数々には、果たしてどのような意味がこめられているのでしょうか?

縁は何を求めたのか? 剣心はなぜ戦うのか――? 映画.comが取材した撮影現場(2019年3月29日)での大友監督インタビューをもとに、テーマをひも解いていきましょう。

※本記事は「るろうに剣心 最終章 The Final」「るろうに剣心 最終章 The Beginning」や、原作漫画のネタバレを含んでいます。未見の方は十分にご注意ください。


【あらすじと作品概要】
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和月伸宏の人気コミックを実写映画化。完結編が2部作で製作され、「るろうに剣心 最終章 The Final」はその第1弾として2021年4月23日に全国公開された。原作では最後のエピソードとなる「人誅編」をベースに、剣心の十字傷の謎を知る上海マフィアの頭目・縁との戦いを描く。

日本転覆を企てた志々雄真実との死闘を終えた剣心たちは、神谷道場で平穏な日々を送っていた。そんなある日、何者かが東京中心部を相次いで攻撃。やがて剣心は、ある理由から剣心に強烈な恨みを持つ上海の武器商人・縁との戦いに身を投じていく。


【ラストバトルの展開】
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舞台は雪代縁の屋敷。広間の中央で、因縁深い縁と剣心が激突する。それぞれの抱える怨嗟、葛藤、苦悩、原罪のすべてが一挙手一投足からあふれ出し、やがて決着の時を迎える……。


●剣心は「戦いたくない」 縁も「憎しみ以外のなにか」を抱えている
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「The Final」は、いわば縁による剣心への復しゅう劇でもあります。剣心は妻・雪代巴(有村架純さん)をやむを得ず殺していますが、巴は縁の実の姉なのです。

それゆえ、ラストバトルは剣心と縁がどんな感情を抱きながら戦うのかが大きなポイント。大友啓史監督は、アクションシーン撮影の合間にこう語ってくれました。

大友啓史「(剣心の感情について)縁は作品のラスボスではありますが、剣心にとって本来倒すべき敵ではない。自分が手にかけてしまった最愛の女性・巴の弟ですから、“戦いたくない相手”ですらある。だからバトルのとっかかりは『さあ、倒すぞ』という感じでもないわけです」

「(縁の感情について)縁にとっても、実は同じく『戦いたくない』のかもしれない。それは新田真剣佑が役に違う肉付けをしてくれたおかげで、なにか憎しみ以外の複雑な感情が表現されつつあります」

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そして、アクション監督の谷垣健治さんに「お願いした」のは、2人の「感情が見えるアクション」だったと言います。

大友監督「戦いは“不思議な導入”で始まります。お互いが向き合い、戦いが始まる……というものでもない。かたや妻を失い、かたや最愛の姉を失った男たちによる戦い。彼らの感情が、一振り一振りに見えてくる」

志々雄真との戦いは「時代」を背負ったバトルでしたが、縁との戦いは「私的な感情」のぶつかり合い。観客は剣心と縁の思いを自然と理解でき、だからこそ共感し感動が生まれるような、そんなアクションに昇華されているのです。


●剣心の攻撃に“贖罪”が表現されている
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では、もう少しラストバトルの“一振り一振り”にクローズアップしてみましょう。憎しみのエネルギーをぶつけてくる縁に対し、剣心は“受けて立ち”ます。剣心は縁の剣を受けながら、彼にかつての自分を重ね、自身の罪=巴との別れと向き合っていくのです。

大友監督「剣心は縁の感情を受け止めるしかない。だからアクションの間隙に、縁に対する“剣心なりの贖罪の念”が見えてくるんです」

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次いで大友監督は「戦わなければわかりあえない」ことこそが、「るろうに剣心」の本質であると解釈を語ります。

「剣心と縁は、戦わないとわかりあえないんですよ。逆に言えば『剣を交えて初めてわかる思いがある』。そこが『るろうに剣心』の面白さでもあります。いうなれば『Heart of sword』、剣の心。縁と剣心は鏡合わせであり、剣を通して自分の心をとらえ続ける物語でもあります」

怒り、悲しみ、苦しみ、後悔……。一手ごとに代わる代わる顔を出す剣心の“心”と、それらを正確に、かつ立体的に演じきった佐藤健さんや新田真剣佑さんの“表現力”も大きな見どころです。


●アクションの迫力を増大させたのは…“セット破壊”だった
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アクションはVFXを極力使わず、肉体のぶつかり合いを中心に描き出します。しかも、ほぼ全てのシーンを役者本人が演じるという徹底ぶり。その迫力をたっぷり引き出すためには、役者やスタントの身体表現のクオリティはもちろん、実は“セット”や“美術”にこだわることも非常に重要だったと言います。

大友監督は「アクションシーンを撮ったあとは、草1本生えない。爆破でもしたの?くらいのスケールで撮影しています」と前置きしたうえで、こんな例を挙げてくれました。「例えば“攻撃の強さ”の表現として、剣と剣のぶつかり合いだけでなく、両者の真ん中にある机が壊れたり、扉が吹っ飛んだり」。すると、より破壊力が観客に伝わるのです。

大友監督「役者たちの気力を受け止められる美術セットがあるかどうかが重要。扉が吹っ飛ぶなどの“壊し”や、衣装の“汚し”など、さまざまな仕掛けが必要になってきます。『るろ剣』の場合はチームで積み重ねてきていますから、作り物の精度もすごく高くなっているし、今回もアクションの迫力は増していると自負しています」

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また、ワイヤーアクションにも強いこだわりがありました。「“ワイヤーアクションに見えない”がコンセプト。(アクション監督の)谷垣さんとは、今まで“横の動き”だけだったワイヤーが、縦と横と縦とか、多彩な動きを追求している。アクションシーンには、シリーズのこれまでで溜め込んできたアイデアが、可能な限り詰め込まれているんです」(大友監督)。

縁と剣心がリアルにぶつかり合い、互いにダイナミックな攻撃を繰り出す。直後、屋敷の壁が剥がれ落ち、扉は爆発したように吹き飛び、テーブル上の陶器類は見るも無惨に粉砕されていく……。画面の端々に目を凝らしてみると、よりアクションの“すごみ”がわかるはずです。


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壮絶なアクションが観るものを興奮させる「るろうに剣心 最終章 The Final」。物語は、剣心の過去を描く“完結編の第二部”「るろうに剣心 最終章 The Beginning」に続いていきます。


【「金曜ロードショー」今後の放送ラインナップ】
・10月21日 「るろうに剣心 最終章 The Beginning」(地上波初放送、本編ノーカット)
・10月28日 「君の名は。」(本編ノーカット)
・11月4日 「僕のワンダフル・ジャーニー」(地上波初放送)

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