「第2回サステナブル未来映画祭」配信9作品の見どころポイント(3)
2022年10月7日 17:00

「第2回サステナブル未来映画祭」が9月22日から10月10日までの19日間、オンライン配信プラットフォーム「シネマ映画.com」で開催されている。配信9作品をピックアップし、映画.comの駒井尚文編集長に加え、編集部&スタッフがそれぞれの視点から配信作品の見どころやポイントなどを紹介する。(全3回)
「サステナブル未来映画祭」は、“「映画」を通して、世界を知る。そして未来を想い、行動するとき。”と掲げ、持続可能な地球環境と子どもたちの豊かな未来のために、環境問題や社会課題をテーマにした新たな映画祭。第1回が今年1月28日から2月10日まで開催され、大きな反響を呼び、好評を得ました。
第2回は、オスカー3部門ノミネートの快挙を成し遂げた「FLEE フリー」をはじめ、本映画祭先行独占配信のドキュメンタリー「ベルベット・クイーン ユキヒョウを探して」ほか、日本における難民申請の課題や、途上国を舞台に成長し続ける貧困産業、ファッション産業やシーフード産業が抱える問題などをテーマにした作品を配信中。
今、あなたが着ている洋服はどこの国で作られたものですか? 安価なファストファッションが台頭し、例えばアメリカの場合、被服製造の97%を発展途上国に外注しているとこの映画は伝えます。2013年にバングラデシュでは裁縫工場が入るビルで、1000人以上が死亡する事故が起こり、カンボジアでは月給160ドルの最低賃金を求める労働者の暴動がおこり、警察に撲殺される悲劇が。世界的なアパレルブランドによる搾取と劣悪な労働環境が明らかになります。また、ファストファッションで用いられる服の原材料についても、インドでのモンサントの遺伝子組み換え綿種子ビジネスや安価な皮革工場から出る六価クロムによる環境汚染など様々な問題を取り上げます。安価な洋服が流通すればするほど、世界が貧しくなっている現状を分かりやすく解説してくれ、今着ている洋服を、どのような人がどのような環境で作っているかと考えさせられる一作です。

翼の折れた白鳥、その存在は痛々しくもどこか美しく、手を差し伸べてしまいたくなる人も多いはず。そこで実際に手を差し伸べたのが、この映画の主役となる澤江さんです。自然淘汰の波を断ち切るような行為は果たしていいのかと憤る人もいるかもしれません。彼もその葛藤の中で、けれども過去に経験した悲しい現実を断ち切りたい思いと目の前で弱っていく白鳥と自分を重ね、手を差し伸べてしまうのです。人にはそれぞれの人生があり、白鳥にも様々な鳥生がある。正解なんてわからないけれど、彼の目に映る白鳥たちの美しさを見ていただきたい、そんな映画です。

今回の「第2回サステナブル未来映画祭」で、「どれか1本だけ見たいんだけど、オススメは?」と聞かれたら、私は迷わず本作を全力で推します。普通の旅行では、まず見ることのできないレベルのチベットの絶景。そして、そこに現れる野生動物たちの、時に可愛らしく、時に不気味な姿。映画の登場人物も語っていますが、まさに「魔法ののぞき穴から、野生動物を見ているような映画」なんです。フランス人クルーの芸術的かつ哲学的な、これまで見て来たものとはレベルの違うネイチャードキュメンタリーの傑作です。自然や動物への畏怖、撮りたい対象に対する渇望が見事にバランスしています。……痺れました。チケットは200枚限定です。どうか、この機会を見逃さないで。

なお、シネマ映画.comは作品ごとにチケットの購入が可能で、PCやスマートフォンで鑑賞できる。作品を視聴するには「シネマ映画.com」の会員登録が必要。
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