SF映画史上屈指の問題作「未来惑星ザルドス」約50年ぶりの再公開決定!
2022年9月30日 18:00

ジョン・ブアマン監督とショーン・コネリーがタッグを組んだ先鋭的SF映画「未来惑星ザルドス」(1974)が、約半世紀を経て11月4日から劇場公開される。このほど、約50年ぶりの再公開のため日本独自にデザインされた新ポスタービジュアルも披露された。
「殺しの分け前 ポイント・ブランク」(67)で注目を集め、全米大ヒット作「脱出」(72)でアカデミー賞・作品賞、監督賞候補となった英国の巨匠ブアマンが、自ら製作・脚本も兼任。その驚異的なイマジネーションを余すことなく解き放ち、人類の恐るべき未来を予見してしまったとてつもないSF巨編だ。
初代「007」を務めたコネリーが、弁髪、胸毛に赤ふんどしー半裸で大地を駆けるその雄姿によって、それまでのボンド俳優のイメージを一新した。共演は名女優シャーロット・ランプリング。映画化に際し、「2001年宇宙の旅」(68)にも通じる本作のテーマに興味を抱いたスタンリー・キューブリックがノンクレジットでテクニカル・アドバイザーとして協力。撮影に「2001年宇宙の旅」の名カメラマン、ジェフリー・アンスワースを抜擢するなど、さまざまな便宜を図ったという。憤怒の形相で地上に君臨する巨大神像ザルドスの強烈造形、合わせ鏡の無限反射、サイケデリックな投射イメージ、「TENET テネット」でも多用された逆転撮影など、ブアマンとアンスワースが映像表現の原初に立ち返ったトリック撮影も見どころだ。
だが、宗教批判と神殺し、永遠の生よりも死を讃える先鋭的メッセージを突きつけるこの作品は、初公開時、一部批評家とわずかな観客を除き、まったく理解されなかった。それから約半世紀、今も評価は揺れ続け、本作は世界中で論議が絶えないSF映画史上屈指の問題作として孤高の地位を保っている。
2293年、人類は不老不死の社会を実現。特権階級の永遠人“エターナルズ”たちは、外界から隔絶された透明ドーム「ボルテックス」の中で平和で優雅な毎日を過ごしていた。彼らは空飛ぶ巨大神像ザルドスを建立、それを神と崇める撲滅戦士“エクスターミネーターズ”たちを操り、荒廃した外界に棲む獣人“ブルータルズ”たちの搾取と殺戮を続けている。だがある日、撲滅戦士のリーダー、ゼッド(ショーン・コネリー)は、着陸したザルドスの口内に身を隠し、ドーム内に潜入した。ザルドス=神の忠実な下僕だったはずのゼッドの目的とは……。
11月4日からシネマート新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開。
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