寺島しのぶ、広末涼子は「底力と鈍感力がすごい」 寂聴さんモデルの映画「あちらにいる鬼」で共演
2022年9月29日 19:52
原作は作家・井上荒野が父である作家・井上光晴と母、そして寂聴さんという男女3人の特別な関係をセンセーショナルに描いた同名小説。寺島が寂聴さんをモデルにした人気作家・長内みはる、広末が作者の母で、みはるとは夫をめぐる三角関係に陥る笙子をそれぞれ演じる他、豊川悦司が光晴をモデルとした作家・白木篤郎に扮している。
寺島は主人公を演じるため、実際に剃髪し「一発勝負なので、それはそれはみんながピリッとして」と振り返り、「現場の皆さんに『このひと時を味わえることが幸せ』とお話したら、メイクさんやプロデューサーさんが泣いちゃって。みんな試合前の選手みたいに、変なアドレナリンが出て(笑)」と緊迫の一幕を明かしていた。
完成した作品を鑑賞し、「自分の粗ばっかり見えてしまった」といい、「広末さんは涙を流して、映画に感動しちゃって。なんで、この人、こんなに切り替えられるのかと不思議だった」とも。さらに「さすがは一世を風びしたスターだから、底力と鈍感力がすごい」と広末の感受性に感心しきりだった。
当の広末は「寺島さんが本当に素敵だったので、もらい泣きしちゃった」と正直なコメント。豊川演じる夫については「もしも、旦那さんがこんないい男だったらと想像すると、『うちはうちの旦那で良かった』と思って帰ってもらえるはず(笑)。豊川さんは悪くないんです。篤郎さんが残念なだけで」と持論を語り、「現場で豊川さんが『ごめんね』って。ひどいのは篤郎だけど、自分も申し訳ない気持ちになったみたいで」と話していた。
また、広末は撮影中に体調を崩したことも明かし、「ヘルプで家に来てくれた母が、台本を読んで『こんな役をやっているから、体調壊すのよ』と言っていた(笑)」。理屈では説明できない男女3人の愛憎に、廣木監督は「奇妙で新鮮。バランスが良いけど……、こんな男女が周りにいたら、迷惑だなって(笑)」と語っていた。
「あちらにいる鬼」は、11月11日から全国公開。