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【「ブレット・トレイン」評論】伊坂幸太郎ワールドでブラッド・ピットが躍動! 殺し屋たちの“仕組まれた運命”を描く快作

2022年9月4日 14:00

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来日したことでも大きな話題に
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伊坂幸太郎氏の小説「マリアビートル」を、ブラッド・ピット主演、デビッド・リーチ監督でハリウッド映画化する。この知らせを聞いて、高校生の頃に原作を読み、映画化を夢想していた筆者の胸は高鳴った(を通り越して、快哉を叫んだ)。そして、主人公レディバグ(ピット)とともに、「乗ったら降りられない」密室と化した東京発・京都行の高速列車へと飛び乗り、約2時間の旅に身を任せた。

映画「ブレット・トレイン」は、時速350キロの高速列車「ゆかり号」を舞台に、乗り合わせた殺し屋たちの任務と因縁が交錯する物語。いつも事件に巻き込まれる“世界一運の悪い殺し屋”レディバグ(ピット)はある日、列車内でブリーフケースを盗み、次の駅で降りるだけの簡単な仕事を請け負う。しかし、なぜか9人の殺し屋たちに命を狙われ、すぐに終わるはずだった仕事は困難を極める。

伊坂作品の魅力のひとつは、伏線や仕掛けが張りめぐらされ、終盤で小気味よく回収されていく構成にあると言える。映画では“仕組まれた運命”の糸がより強化され、レディバグも含めた10人の殺し屋たちを絡めとっていく。原作では、実験を楽しむかのように人を死に追いやっていくプリンス(ジョーイ・キング)にさえ、映画では動機が与えられている。

さらに伊坂作品には、殺し屋や泥棒やギャングなど、ならず者が数多く登場するが、誰もがそれぞれの人生哲学を貫いている。正義や悪といったカテゴライズから逃れ、個々の在り方が尊重されているのだ。原作同様、映画でも、殺し屋たちのキャラクターが生き生きと立ち上がっている。レモン(ブライアン・タイリー・ヘンリー)が「きかんしゃトーマス」を好み、何かにつけて引用するという設定が生かされている点も、原作ファンとしては嬉しいところ。また、それぞれの背景を丁寧に語り、ビジュアルを徹底的に作りこみ、そのカラーを衣装や音楽でも表現したことで、殺し屋たちの人間ドラマは、より深みを増している。例えば、原作ではレディバグに恨みを持つさえない小物という設定の狼が、バッド・バニー演じる、情熱的なメキシコNo.1の殺し屋ウルフへと、鮮やかに昇華されている。

そして物語をどこまでも魅力的にしているのは、いくつもの“限界”。最初から最後まで、舞台が列車内であるという“限界”が、レディバグとタンジェリン(アーロン・テイラー=ジョンソン)との狭苦しい食堂車でのバトルや、「お静かに!」と警告されながらも笑顔でやり合うレモンとのバトルを生む。さらにレディバグが、何事もなく仕事を終えることを望み、拳銃を持ち込まないという“限界”。ペットボトル、パソコン、爆竹など、身近なアイテムが武器になり、ウィットに富んだ愉快なアクションシーンを演出している。「ファイト・クラブ」「Mr.&Mrs.スミス」などで、ピットのスタントマンを務めていた経歴を持つリーチ監督のセンスが光る。

最後に、予告編を見て薄々お気付きの方もいると思うが、“東京・京都間を走る高速列車という設定のまるで違う場所”の描写がユニークだ。列車内はネオンで妖しく照らされ、豪華なラウンジのような場所もあるし、目を凝らして奇妙な広告たちを眺めるのも楽しい。キレキレのアクションシーンで、日本の懐メロが流れたりするアンバランスさもクセになる。先日来日したピットがPASMOを手にした写真も大いに話題になったが、劇中で日本では当たり前の“あるもの”と格闘するくだりにも、妙な感動を覚えることだろう。

(飛松優歩)

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