「ピノキオ」を実写映画化 トム・ハンクスが明かす、アニメーション版が愛される理由とは?
2022年9月4日 09:00
ディズニーの実写映画版「ピノキオ」が、9月8日からディズニープラス独占で日米同時配信される。本作で孤独なおじいさんゼペットを演じたハリウッドの名優トム・ハンクスが、「ピノキオ」が80年以上に渡り愛され続ける理由を語った。
「ピノキオ」は、誰もが一度は耳にした事のある名曲「星に願いを(When You Wish Upon a Star)」を生んだ名作アニメーション。実写版では「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズの名匠ロバート・ゼメキスがメガホンをとり、トム・ハンクスが木彫りの人形ピノキオを作るゼペット、シンシア・エリボがピノキオに命を与える妖精ブルー・フェアリー、ルーク・エバンスが子どもたちを騙すコーチマン役を担う。
1940年に公開されたアニメーション版で描かれる「ピノキオ」は、木彫りの人形ピノキオと風変わりなおじいさんゼペットの願いを叶える物語として世界中の人々に語り継がれている。妖精ブルー・フェアリーが魔法をかけてピノキオに命を授けるシーンなど、ディズニーらしい夢と魔法に溢れた世界観が描かれている一方、純真無垢なピノキオはあらゆる誘惑や試練を経験する。
ハンクスはそうしたピノキオが辿る冒険のダークな一面が、いつの時代においても人々の心に刺さる映画となっている理由の一つだと語る。
「何も知らないピノキオは、ピノキオを金儲けのために利用しようとするストロンボリとか色々な要素のせいで進む道を間違えてしまうんだ。自分を愛するゼペットや我が家という安全な場所を去り、危険に身を投じているよね。ピノキオは耳が大きくなってロバの姿になりはじめ、重労働を負う家畜の姿に変っていく。あれも恐ろしい経験だよ。アニメーションで描かれている物語はかなりダークなものだけど、ダークであってしかるべきだと私は思っているんだ。それは主人公たるもの必ず経験しなければならない地獄への転落の一部であり、ピノキオもそれを経験する。それをディズニー・スタジオやディズニーのアーティストたちによる芸術性で描かれた作品だったんだ」(ハンクス)
ハンクスとゼメキス監督は、2022年に「ピノキオ」の物語を描くからこそ、より一層深いメッセージ性を持たせて描くにはどうしたらいいかと話し合ったそう。
ハンクスは「現代のリアルな時代に合うよう、監督とゼペットのキャラクターの描き方について話し合ったんだ。ゼペットは幸せに暮らしているけれど、人生で何かを失った人物であり、生き生きと暮らす喜び、家族を持つ喜びに欠けている。彼は独りで暮らしながら、その職人技で他人のために働き他人を喜ばせる生活を25年ほど送ってきたのではないかという発想に至った。自分だけではない何かの一員になりたい、家族の一員になりたいというゼペットの憧れ、それが全てなんだ。あのアニメーション映画以上に深い物語でなければならなかったから、本作の最初から決してハッピーではないゼペットが登場するよ」と明かしている。
アニメーション版に敬意を払いつつ、実写版ならではの魅力も追求した本作では一体どんな物語が描かれているのか。9月8日よりディズニープラス独占で日米同時配信。
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