謎の穴に潜り若返る妻、電子制御男性器を自慢する上司…ブニュエルのように欲望と不条理描く「地下室のヘンな穴」本編映像

「ラバー」「ディアスキン　鹿革の殺人鬼」などの独創的な作品で知られるフランスの鬼才カンタン・デュピューが監督・脚本を手がけ、「時間が半日進んで肉体が3日分若返る」という不思議な穴に翻弄される夫婦の運命を描いた異色ドラマ「地下室のヘンな穴」の本編映像が公開された。

平凡な中年夫婦アランとマリーは怪しげな不動産業者に案内され、郊外に建つモダニズム風の一軒家を下見に訪れる。不動産業者は購入すべきか迷う彼らに、奇妙なセールスポイントを教える。それは、家の地下室に空いた穴に入ると「時間が12時間進み、肉体が3日分若返る」というもの。夫婦は半信半疑でその家に引っ越すことを決めるが、やがてその穴の存在は、彼らが胸の奥深くに秘めていた欲望や衝動を呼び覚ましていく。

このほど公開された映像は、アランが勤務する会社の上司で、ブノワ・マジメル演じるジェラールが、“電子ペニス”と呼ぶ、電子制御で自由自在にコントロールできる男性器の手術をするシーン。故障した“電子ペニス”修理のため日本の謎の病院で手術を受けるジェラール。全く日本語の分からないジェラールに対して、日本語で手術の成功を伝え、起動させようとカウントダウンを始めた瞬間、バチッ！！！と大きな音が。“電子ペニス”を得たことで、万能感を持ってしまったジェラールのその後の顛末、謎の穴に毎日入って若返るがある恐怖におびえる妻、そしてひとり老いていく主人公アラン。登場人物の欲望と現実をルイス・ブニュエル風の不条理なタッチで描く本編への期待が高まる。

「地下室のヘンな穴」は、9月2日から新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開。