地下室のヘンな穴

劇場公開日:

地下室のヘンな穴

解説

「ラバー」「ディアスキン 鹿革の殺人鬼」などの独創的な作品で知られるフランスの鬼才カンタン・デュピューが監督・脚本を手がけ、「時間が半日進んで肉体が3日分若返る」という不思議な穴に翻弄される夫婦の運命を描いた異色ドラマ。

平凡な中年夫婦アランとマリーは怪しげな不動産業者に案内され、郊外に建つモダニズム風の一軒家を下見に訪れる。不動産業者は購入すべきか迷う彼らに、奇妙なセールスポイントを教える。それは、家の地下室に空いた穴に入ると「時間が12時間進み、肉体が3日分若返る」というもの。夫婦は半信半疑でその家に引っ越すことを決めるが、やがてその穴の存在は、彼らが胸の奥深くに秘めていた欲望や衝動を呼び覚ましていく。

「恋愛睡眠のすすめ」のアラン・シャバと「ジュリアン」のレア・ドリュッケールが主人公夫婦を演じ、「ピアニスト」のブノワ・マジメル、「彼は秘密の女ともだち」のアナイス・ドゥムースティエが共演。

2022年製作/74分/G/フランス・ベルギー合作
原題:Incroyable mais vrai
配給:ロングライド
劇場公開日:2022年9月2日

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(C)ATELIER DE PRODUCTION - ARTE FRANCE CINEMA - VERSUS PRODUCTION - 2022

映画レビュー

3.0ごく日常のありふれた風景の中で非日常が起こる妙味

2022年9月24日
PCから投稿

この映画から真っ先に思い出すのは『マルコヴィッチの穴』か。けれど、あんな風にエンタメ色豊かに味付けされた作品かといえば、微妙に違う。一軒家をどんどん下に降りていくと「時間が半日進み、身体が3日若返る」という事実の登場人物たちの受け止め方も意外と淡々としているし、ごく日常的な空気感の中でこれほど自然体に非日常を創出できるのは驚きであり発見でもある。こうして人生の進行方向、過ぎゆく速さが変わっていく姿は、いわば価値観にズレが生じて並走するのが困難になった夫婦のメタファーなのだろうか。もう少しストーリー的に噛みごたえのある「展開」が欲しかった気もするが、ラストの幕切れ感といい、その味わいは実に独特だ。思えば、我々も日々、映画館という薄暗い穴の中で、気づかぬうちに時間が過ぎ去り、心だけは若返ったり、あるいは気分的に2、3年歳とったりもするわけで・・・余白の中にいろんな思いを重ねられる作品ではある。

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牛津厚信

3.5これは確かにヘンな映画

2022年8月29日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

怖い

その一軒家の地下室には、さらに下に降りる穴があり、そこを通ると「時間が半日進んで肉体が3日分若返る」という。不動産業者から奇妙なセールスポイントを教わった中年夫婦は購入を決断。だがこの穴の存在により、穏やかで大きな不満もなさそうに見えた夫婦の関係が、次第に変化していく。

一見、SF作品のような印象を受ける設定ではある。実際、地下室からさらに降りるのに、穴から出ると2階の部屋にいるし、確かに時間も12時間進んでいる。時空をワープする穴なのは間違いないが、“3日若返る”という微妙さがひとつの肝になっている。

この穴のほかにもう一つ、夫が勤める会社の社長の身体に関してもSF的な要素がある(これには意外な形で日本も関係してくる)のだが、それぞれの成り立ちや仕組みについて具体的な説明を期待すると肩透かしを食らう。それらは映画内世界の中で、たまたま手に入った便利そうなもの、人生をより豊かにしてくれそうなものとして、理屈を超越して存在しているかのようだ。うまい話には裏がある、とはよく言うが、地下の穴や社長のあれはそんな“うまい話”のメタファーと解釈することも可能だろう。

フランス・ベルギー合作で、尺は74分。不条理な部分もあるが、人間の欲望や他者との関係性などを風刺するスタンスも確かにある。一般受けはしないだろうが、ヘンテコな映画を偏愛してやまないマニアックな層には喜ばれるかもしれない。

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高森 郁哉

4.0ああ よく分かるよ

2023年1月21日
iPhoneアプリから投稿
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GAB I

1.5ヘンな穴とメイドインジャパンのヘンな物

2023年1月13日
iPhoneアプリから投稿

 地下の穴が女性の欲望で、日本製の変なモノが男性の欲望か。
日本の病院での手術の様子も滑稽だし、そもそも、あんなモノの発明が日本なのも可笑しい。
 地下室の穴にとりつかれたマリーは結局精神病んでしまったし、社長もショートして結局はあんなことに。欲に取り憑かれると碌なことないね。
 でも、若返るなら、私も入っちゃうかも。

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アンディぴっと
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