ジョーダン・ピール監督新作「NOPE ノープ」に「AKIRA」「エヴァ」へのオマージュ?
2022年8月30日 09:00
「ゲット・アウト」のジョーダン・ピール監督とダニエル・カルーヤが再びタッグを組む「NOPE ノープ」(公開中)。謎の巨大飛行物体が突如現れる田舎町が舞台の本作には、前作「アス」に登場した架空のチェーン店が再登場するなど、意味を追求したくなるようなユニークな仕掛けがなされている。
ピール監督は「僕の作品はすべて同じユニバースを舞台にしている」と明かしており、「いわば“ユニバース・リアリティ”だね。映画の中の世界って現実とは違うわけで、その一例がファストフード・チェーンの“コッパーポット・コーブ”だ。あの店は実在しないのだが『アス』にはあって『NOPE ノープ』にもある。ひょっとして『アス』と『NOPE ノープ』は同じユニバースの話なのかな、と思いたくなるかと思って。だとしたら嬉しい」と狙いを説明する。
ピール監督といえば、「ゲット・アウト」や「アス」で名作映画のオマージュを独特な描写に組み込み、映画ファンを圧倒させてきたことでも知られている。本作の予告編では、エメラルド(キキ・パーマー)がバイクでスライドブレーキをかけるワンシーンが、大友克洋の「AKIRA」を彷彿とさせる。ピール監督自身、大友の大ファンであり、幼少期に「AKIRA」を鑑賞し、感銘を受けた作品の一つであることを公言している。
また、謎の巨大飛行物体に見られる無機質な外見や動きの創作には、「新世紀エヴァンゲリオン」に見られるハイパー・ミニマリズムとその「バイオメカニカルなデザイン性」に影響されたことを明かしている。
謎に包まれていた本作が日本公開を迎え、映画ファンの中ではさまざまな考察がされているなか、ピール監督が仕掛けた小ネタにも注目だ。