阿部サダヲ、映画「シャイロックの子供たち」で池井戸潤作品に初参加 上戸彩、玉森裕太ら豪華キャストが参戦
2022年8月22日 07:00
阿部サダヲが、池井戸潤氏のベストセラー小説を映画化する「シャイロックの子供たち」で主演を務めることがわかった。阿部は池井戸作品への初参加を果たし、メガホンをとる本木克英監督と初タッグを組み、自身初となる銀行員を演じる。上戸彩、玉森裕太、柳葉敏郎、杉本哲太、佐藤隆太、柄本明、橋爪功、佐々木蔵之介という豪華キャストも発表され、公開日は2023年2月17日に決定した。あわせて特報(https://youtu.be/iTDC9omtlFM)、阿部のインタビュー映像(https://youtu.be/Y6BZ2aHD0m8)、ティザービジュアルもお披露目された。
原作は、池井戸氏が「ぼくの小説の書き方を決定づけた記念碑的な一冊」と明言する原点のような存在で、累計発行部数50万部を突破した同名小説(文春文庫刊)。今秋にはWOWOWでのドラマ化も決定している。映画版には、「空飛ぶタイヤ」の本木監督をはじめ、メインスタッフが再集結。池井戸氏が脚本に太鼓判を押したという、小説ともドラマとも展開が異なる、独自のキャラクターが登場する完全オリジナルストーリーを紡ぐ。
阿部が演じるのは、東京第一銀行・長原支店のベテランお客様係・西木雅博。西木は同じ支店で働く北川愛理、田端洋司とともに、銀行内で起こった現金紛失事件の裏側を探るうちに、メガバンクを揺るがすとてつもない事実に辿り着く。
上戸が北川、玉森が田端を演じるほか、柳葉が長原支店支店長・九条馨、杉本がパワハラ副支店長・古川一夫を体現。支店のエース・滝野真役に佐藤、滝野に近づく不動産会社社長・石本浩一役に橋爪、映画オリジナルキャラクターで長原支店の客・沢崎肇役に柄本、事件をきっかけに長原支店を調査する東京第一銀行本部検査部・黒田道春に佐々木を配した。
特報は、メガバンクで起こる現金紛失事件をきっかけに、予想を超えた事態に翻ろうされていくキャラクターたちを活写。西木の「これ、大問題になるぞ」というセリフは、波乱の展開を予感させる。ティザービジュアルは、本作のテーマである「人間の表裏」をイメージ。凛々しい視線を投げかける姿と、大金を手に怪しげな笑みを浮かべる姿は、西木の二面性を暗示しているかのようだ。「金か、魂か。」というキャッチコピーが、意味深に添えられている。
阿部は、「気が付かないところで起きている、お金の怖さと面白さ、身近な人を信じていいのか疑っていいのか? 堪能してみたかった池井戸潤さんの世界!」と喜びを語る。池井戸氏は「映像化が難しいこのミステリをどう解きほぐし、真実を明かすのか。ぜひ劇場に足を運んでいただき、驚倒の顛末を見届けてください」と期待をあおった。
「シャイロックの子供たち」は、23年2月17日に全国公開。キャスト、製作陣のコメント(全文)は、以下の通り。
気が付かないところで起きている、お金の怖さと面白さ、身近な人を信じていいのか疑っていいのか? 堪能してみたかった池井戸潤さんの世界! 上戸さん玉森くんはじめ、好きな俳優の皆さんに囲まれて西木を演れて(やれて)楽しかったし、原作には無い柄本明さんとのシーンがどんな風に仕上がってくるのか? 楽しみです! 劇場がスーツで埋まったらかっこいいなぁ…。
阿部サダヲさんとは初めて共演させていただきましたが、穏やかさの中にユニークなブラックさが垣間見え(笑)、毎日楽しい刺激をいただいていました。現場ではみんなのイジられ役だった玉森裕太くんが、そのキュートさで常にみんなを癒してくれていました。人間の欲望が蠢くスリリングな作品ではありますが、和気あいあいとしたとても素敵な現場でした。今回こうしてお声がけいただき、再び池井戸潤さん作品に携わらせていただけたことを純粋に嬉しく思いますし、この作品を多くの方に是非とも劇場でご覧いただきたいと思っています。何より、私自身が劇場で見れる日を心待ちにしております。
池井戸さんの作品に携われたことがとても嬉しく思います。阿部サダヲさんをはじめ素晴らしい俳優の方々と一緒に作品作りをさせていただけて、とても勉強になる現場でした。銀行員の役は初めて演じます。30代の経験少ない未熟な青年が葛藤する姿は、どなたにでも感情移入して頂けると思います。是非、劇場でご覧下さい!
自分にとってはチャレンジでもありましたが、非常に達成感のある素敵な現場でした。本木監督とは初めてご一緒しましたが、自分の思いにもしっかりと耳を傾けていただいたので、安心して過ごすことができ、映画を撮影していることを肌で感じる日々でした。九条という役は、こんな人もいるのかと驚くようなキャラクターですが、その嫌な人間性が少しでもお客様に伝われば満足です。
池井戸作品でバンカーを演じられたことがとにかく嬉しいです。古川という人物は、典型的な昭和のパワハラ上司ですが、その大きな声とは裏腹にとても心の狭い小さな人間なので、そのニュアンスがうまく出るよう、現場で本木監督とも話しながら役を作り上げていきました。様々なキャラクターがぶつかり合う、バンカー達の白熱した演技を是非ご覧頂ければと思っております。
主演のサダヲさんをはじめ大好きな演者の皆さん、そして映画愛溢れる素晴らしいスタッフの皆さんの輪の中で芝居をする事ができて、本当に幸せでした。原作を読んでこの作品を“知った気”になっていた自分に、新たな真実を突きつけられる様な、刺激的な毎日でした。原作ファンの皆様にも、是非この興奮を味わって欲しいと思います。
こういう小悪党みたいな役は大好きなので、楽しく演じさせていただきました。映画ならではの緊張感、顔なじみのスタッフ、そして本木監督の的確なサジェスチョン。完成を心から楽しみにしております。
撮影現場は劇中のごとくヒリヒリ・ピリピリの駆け引きの連続!なんて事はなく、いつもの穏やかな本木組でホッとしました。ただ、私の役もこれが現実なら結構ヤバい橋渡ってます……。原作の小説からも更に深化した池井戸ワールド、是非劇場でお楽しみください!
原作とも違う、先んじて放映されるドラマ版とも違う、まったく新しい「シャイロックの子供たち」が誕生しました。主役の阿部サダヲさんはじめ、上戸彩さん、玉森裕太さん、佐々木蔵之介さんら個性的なキャストも注目ですが、唯一原作にはない柄本明さんの役どころも目が離せません。映像化が難しいこのミステリをどう解きほぐし、真実を明かすのか。ぜひ劇場に足を運んでいただき、驚倒の顛末を見届けてください。
人間らしく生きるとは何か? なぜ人はお金に執着するのか? 働く意味は? 自問自答しながらこの映画を撮り終えました。勝者も敗者もいないこの群像劇は一体どこに向かうのか、企業社会を冷徹に見つめ、予定調和に陥らない池井戸潤さんの物語を慎重に追いつつ、心から楽しんで監督しました。複雑な心情をリアルに定着させられる才能ある演技陣を得て、深みのある人間ドラマになったと思います。
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