岩波ホールが明日7月29日閉館 支配人・岩波律子氏が最後のメッセージ発表
2022年7月28日 16:20

東京・神保町の老舗ミニシアター「岩波ホール」が、明日7月29日閉館する。支配人の岩波律子氏が「支配人より最後のごあいさつ」と題したスピーチを公式HP(https://www.iwanami-hall.com/topics/greeting/5323)で発表した。
同館は1968年2月に多目的ホールとして開館し、故・川喜多かしこ氏と同ホール総支配人の故・高野悦子氏が名作映画上映運動「エキプ・ド・シネマ」をスタート。「エキプ・ド・シネマ」は「日本では上映されることの少ない、アジア・アフリカ・中南米など欧米以外の国々の名作の紹介」「欧米の映画であっても、大手興行会社が取り上げない名作の上映」「映画史上の名作であっても、何らかの理由で日本で上映されなかったもの、またはカットされ不完全なかたちで上映されたもの」「日本映画の名作を世に出す手伝い」という4つの目標を掲げていた。
岩波ホールがこれまでに上映してきた作品は、ルキノ・ビスコンティ、イングマール・ベルイマン、フェデリコ・フェリーニ、アンドレイ・タルコフスキー、テオ・アンゲロプロス、ルイス・ブニュエルら映画史にその名を残す巨匠たちの作品から、アジア、中南米、東欧、アフリカなど世界の66の国と地域で製作された274本。1980年代後半からのミニシアターブームをけん引し、女性監督作品、社会派作品も数多く紹介してきた。
公開された動画で岩波氏は、これまでの「岩波ホール」の歩みを振り返り「多目的ホール時代を含めますと、54年間となりますが、これまで、私どもの活動を見守り、劇場に足を運んでくださった皆さまに、心より感謝申し上げます」と結んでいる。
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