信と共に生きている――山崎賢人、「キングダム」と突き進む“夢”への道
2022年7月20日 09:00

原泰久氏のベストセラー漫画を実写映画化した「キングダム」が公開された2019年4月19日、主人公・信を演じた山崎賢人(崎はたつさきが正式表記)は「信が天下の大将軍になるまで演じるのが夢です。僕も同じで、俳優としても高みに行きたい」と語っていた。その夢の実現へとつながる続編「キングダム2 遥かなる大地へ」が、現在公開中だ。

本作は、原作でも人気のエピソードである“蛇甘平原”での戦い、大将軍への第一歩である信の初陣が描かれる。えい政役の吉沢亮、河了貂役の橋本環奈ら前作のキャストに加え、原作でも人気のキャラクター・羌かい役で清野菜名が新たに参加。信、羌かいと運命共同体である「伍」のメンバーを岡山天音、三浦貴大、濱津隆之が演じている。
「キングダム」の本筋というべき“戦”の迫力はすさまじく、なにより本作を引っ張る山崎は、信を“生きている”という言葉がしっくりくるほどはまり役と言っていいだろう。撮影の裏側、本作への思いを聞いた。(取材・文/編集部 撮影/山口真由子)

前作のときは信の復讐心に燃えた感情があふれ出て、体が動いているようなアクションでした。今回は自分の意志で戦場に出て、一人で大人数と戦っていきます。前作の出来事を乗り越えていることもあり、信の野性的な動きは続けながらも、映画としてもアクションもいろんな経験を積むことができたので、より観ている方に楽しんでもらえることを意識しました。馬に乗ってのアクションもありましたが、画としても蛇甘平原の戦いを表すには大事なことだったと思いますし、信としての気持ちも入りました。
(C)原泰久/集英社 (C)2022 映画「キングダム」製作委員会スタッフ、キャストの皆さんと続編をやりたいとずっと話していて、もしやるなら合戦になるだろうと言っていたので、基礎練習を含めてなるべく体を動かすようにしていました。アクション監督の下村勇二さんや、前作で左慈を演じた坂口拓さんにも教わっています。トレーニングはいろんな動きに役立ちましたが、特に今回は一対多勢の戦いが多かったので、一人斬って次はこの人だって相手を見ていく目線の動かし方など、感情を乗せる動きに生かすことができました。
やりきったなという達成感がありました。今までの日本映画にはない規模のことをやって、それを作るためにいろんな人に支えられています。「キングダム」は関わっている皆さんがすごく優しいんです。何かの能力にずば抜けていることも必要だと思いますが、長い期間一緒に仕事をするとなると、人柄も大事だと思います。いい人ばかりに囲まれてできる幸せを感じましたし、クランクアップの瞬間はいろんな思いがこみ上げてきて、泣いちゃいましたね。みんながいい人っていうのは、なにより佐藤信介監督の人柄もあると思います。

菜名ちゃんは一人だけ女性でしたが、それが気にならないくらいナチュラルに皆さんと接してくれて、ありがたかったです。天音は10代の頃から仲が良いので、天音が現場にいてくれる安心感もありました。濱津さんも貴大さんも優しくて、みんなで空き時間に他愛もない話をして、でも撮影は締めるところは締めて。撮影期間が長いので、無理して“仲良くなろう”とはせず、ずっと自然体で過ごしていました。それぞれ共演経験もあるので、自然とそういう輪が広がって仲を深めていったと思います。
前作でも描いていた“夢”について触れるシーンになっています。夢があるからそこに向かえるという信のパワーは改めてすごいなと思いましたし、前作のすさまじい出来事を乗り越えている信だからこそ、同じような境遇の羌かいにあれだけの熱量でまっすぐ思いをぶつけられるんだなと思いました。「敵を討ったら死ぬ、自分の命はどうでもいい」と言う羌かいに対して、「それじゃダメだ、姉ちゃんの夢はなんだった」と問いかけるシーンは、信と漂の関係性にもつながります。みんなが言えないようなこともストレートに言えるのが信のいいところですが、特にこのシーンのセリフは信だからこそ言えると思える、とても好きな場面です。
(C)原泰久/集英社 (C)2022 映画「キングダム」製作委員会信の置かれている立場や成長していく姿は、自分がこの業界で生きていくのと重なる部分があるので、信と一緒に生きていると感じています。これだけ熱くてパワーがもらえる作品はなかなかないですし、自分も「キングダム」から元気をもらっています。見た人にも元気になってほしいですし、携わっているいろんな方の思いも背負いながら、これからも信と共に突き進んでいきたいなと思っています。
撮影期間は長いですし、体力的にも大変なことはありますが、それすらも自分のパワーになるのが「キングダム」です。信は怒りもパワーにしてしまうので、そういう信を演じていることもあるかもしれないです。なにより、自分自身「キングダム」が本当に好きということが一番大きいです。

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