「ベイビー・ブローカー」キャスト陣が来日 ソン・ガンホ「国を越えて、共感できる温かい物語」
2022年6月27日 12:00

是枝裕和監督の初の韓国映画「ベイビー・ブローカー」(公開中)の舞台挨拶が6月26日、都内で行われ、主演のソン・ガンホをはじめ、カン・ドンウォン、イ・ジウン(IU)、イ・ジュヨン、是枝監督が登壇した。
(C)2022 ZIP CINEMA & CJ ENM Co., Ltd., ALL RIGHTS RESERVED本作は、第75回カンヌ国際映画祭で主演のソンが最優秀男優賞を受賞。さらに同部門とは別に、「人間の内面を豊かに描いた作品」に贈られるエキュメニカル審査員賞にも選ばれた。この日は日本のほか韓国からも多くのメディアが取材に訪れ、舞台挨拶には約500人の観客が来場。映画館の前にも約200人ものファンが詰めかけた。
(C)2022 ZIP CINEMA & CJ ENM Co., Ltd., ALL RIGHTS RESERVED大きな拍手で迎えられたソンは「こんにちは、ソン・ガンホです」と日本語で挨拶し、「およそ2年ぶりにみなさんの前でこうしてご挨拶させていただき光栄です。この映画は日本と韓国に限った特別な話ではなく、私たちが生きている中で感じる様々なことを伝えている映画だと思います」と語る。
是枝監督は「遡ると15年ほど前に釜山の映画祭で『韓国人の俳優で映画を撮るなら誰を主演に撮りたいですか?』と聞かれて、ソン・ガンホさんの名前を出させていただいて、そのインタビューを終えて、帰ろうとエレベーターを待っていたら扉が開いてソン・ガンホさんがいたんですね。その偶然を何かの縁があるんだろうと思っていたんですが、こういう形で作品に結実して、日本での公開をこうやってキャストと迎えられたことを嬉しく思っています」と感慨深げ。
(C)2022 ZIP CINEMA & CJ ENM Co., Ltd., ALL RIGHTS RESERVEDアーティスト「IU」として活躍し、本作では赤ちゃんを赤ちゃんポストに預ける母親という難役に挑んだイ・ジウンは「これまでドラマに出演したことはありましたが、長編映画は初めてで、そこは挑戦でした。私が演じたソヨンは、様々な設定があってキャラクターを説明する修飾がいっぱいある人物でした。このいくつもの設定を立体的に表現できるようにと監督とも話し合いながら演技しました」と振り返る。
ブローカーたちを追う刑事を演じたイ・ジュヨンは「私も是枝監督の大ファンでしたし、先輩の俳優の皆さん、普段から気になっていた俳優さんとお仕事することができたので、現場で多くのことを学んで、感じるという姿勢で臨んでいました。プロモーションも含めて素晴らしい経験を積めたと思いますし、私にとって長く忘れられない思い出になる作品だなと思います」と明かす。
カンは、韓国で誕生日を迎えた是枝監督をお祝いしたそうで「良いことなのか悪いことなのか(笑)、 監督が一人で誕生日を過ごされると聞いて、食事に誘いました」とニッコリ。是枝監督は「2年連続でドンウォンさんとソウルで誕生日を祝いました。よかったです」と微笑んだ。
(C)2022 ZIP CINEMA & CJ ENM Co., Ltd., ALL RIGHTS RESERVED今回の来日にあわせて多くのファンが空港でキャスト陣を出迎えたが、ソンは「イ・ジウンさんは日本でも有名なスターであり、日本の多くのファンが来るだろうと話に聞いていましたが、実際に100人を超えるファンが集まったそうです。でもカン・ドンウォンさんを見るために集まったのは3人だったそうです。ちなみに、私は5人来てくださっていました(笑)。なので、とても気分が良い1日になりました」と茶目っ気たっぷりに話すと、是枝監督は「だいたい現場はいつもこんな感じで、ソン・ガンホさんがカン・ドンウォンさんをイジって楽しむといい。僕は大好きです」と嬉しそうに説明。
最後に、キャストを代表してマイクを握ったソンは「この映画は、日本の監督と韓国のキャストが一緒に作ったということが大事というよりは、日本人であっても、韓国人であっても、私たちが生きている社会の中の私たちの姿、私たちの隣人の姿、また人生の価値が描かれた作品となっています。国を越えて、誰にとっても共感できる温かい物語だと思います。皆さんにもその思いを受け取って、共感していただける、そんな意味ある時間として記憶されてほしいと願っています」と呼びかけ、会場は温かい拍手に包まれた。
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