間宮祥太朗、主演作「破戒」に強い手応え 「素直にいい映画だと思えることが幸せ」
2022年6月13日 20:02

俳優の間宮祥太朗が6月13日、都内で行われた主演作「破戒」の完成披露試写会に、共演する石井杏奈、矢本悠馬、前田和男監督とともに、浴衣姿で登壇した。島崎藤村の同名小説を60年ぶりに映画化。明治時代を舞台に、出自に苦悩する難役を演じ「俳優を始めて14~5年経ちますが、一番シンプルに『素直にいい映画だな』と思えることが幸せです」と強い手応えを示した。
亡き父の戒めで被差別部落出身である出自を隠し通し、地元を離れた土地で小学校の教員になった瀬川丑松(間宮)の苦しみと葛藤、そして、被差別部落出身の思想家・猪子蓮太郎に傾倒していく姿を描く。

間宮は「主人公を任せてもらえたことで、差別というものの手触りが、学生の頃に教科書で習ったよりも、より身近なところにあると実感した」と振り返り、「100年前の小説を、令和という時代に映画化する意味をとても感じています」とメッセージ。「世界の事実を変える映画ではないかもしれませんが、それを見つめる皆さんの視点に影響を及ぼす映画になっている。大事な人に勧められる映画であってほしい」と語った。

石井は丑松に恋心を寄せる士族出身の女性・志保を演じ「20代の自分にも響く、すごく好きな作品です」と笑顔。悩める丑松を支える親友の銀之助役の矢本は、間宮との共演経験も多く「僕らの親交がいい方向に影響していて、何もせずに銀之助になれた。役作りのストレスはなかったですね」と振り返り、間宮も「丑松にとって、銀之助はただ仲がいいだけじゃない、大きな存在。矢本悠馬が演じると聞いて、これは間違いないなと思った」と全幅の信頼を寄せた。ただ、矢本本人は「仕事場に友だちがいる恥ずかしさもある。(共演は)これが最後になるかもしれない(笑)」と親友だからこその悩みも明かした。
過去には木下恵介監督、市川崑監督も「破戒」を映画化しており、前田監督は「良し悪しではありませんが、間宮さんの美しさは(過去作に主演した)池部良さん、市川雷蔵とは違う次元の美しさがあった。不安が増せば増すほど、アドレナリンを美しさに転化させていた」と間宮を絶賛。身分違いの悲恋を描く本作について、「ロミオとジュリエット」を引き合いに「あちらは悲劇ですが、この作品にはささやかな希望がポッと浮いている」と話していた。
「破戒」は、7月8日から丸の内TOEIほかで全国公開。眞島秀和が猪子蓮太郎を演じるほか、高橋和也、竹中直人、本田博太郎、田中要次、石橋蓮司、大東駿介、小林綾子らが共演する。
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