青山真治監督追悼「EUREKA ユリイカ」デジタル・マスター完全版を5月初上映
2022年4月28日 12:00

3月21日に逝去した青山真治監督を追悼し、「EUREKA ユリイカ」デジタル・マスター完全版が、5月13日から上映される。
2001年1月に特殊な現像をした35ミリフィルムで公開された本作は、凄惨なバスジャック事件で生き残り、心に傷を抱えたまま生きる人々の姿を、3時間37分という圧倒的なスケールで描いた「癒しと再生の一大叙事詩」。第53回カンヌ国際映画祭(2000年)で国際批評家連盟賞とエキュメニック賞を受賞し、その後、01年1月にテアトル新宿ほかで公開され高い評価を得た。出演は役所広司、宮崎あおい、宮崎将。
今回の上映は、01年の公開時にロードショーのメイン館を務めたテアトル新宿(東京テアトル)、同作に出資し配給した関係各社、現在設立準備中の青山真治アーカイヴスのメンバーによって追悼の形を検討する中、青山監督の代表作である本作をデジタル・マスター完全版として上映することが、監督の偉業を当時の映画ファンに改めて再認識してもらい、また若い映画ファンに新たに発見してもらう機会になり得ると考え決定した。英語字幕入りバージョンは、17年の東京国際映画祭で上映されているが、字幕なしバージョンとしては今回が初。21年の時を経てデジタル・マスター完全版として再びスクリーンで上映される貴重な機会となる。

ある九州の田舎町で、バスジャック事件が発生した。生き残った運転手の沢井(役所)と直樹・梢の兄妹(宮崎将・あおい)は、心に大きな傷を負ってしまう。それから2年が過ぎ、町に戻った沢井は、2人きりで暮らす兄妹とともに暮らし始める。そこに従兄の秋彦(斉藤陽一郎)も加わり、4人の奇妙な家族生活が始まった。そんな中、彼らの周辺で殺人事件が続発する。沢井は小さなバスを買い、喧騒の町を抜けて4人で行く当てもない旅に出る。
5月13日からテアトル新宿で4週間連日1回上映(予定)、同27日からはシネ・リーブル梅田で1週間連日1回上映(予定)。「EUREKA ユリイカ」に加え、青山監督と縁の深いぴあフィルムフェスティバル(9月10日~25日)、アテネ・フランセ文化センターなどでの特集上映や各種企画も進行中だ。
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