教師のセックスビデオが保護者会で再生される地獄絵図…「アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ 監督〈自己検閲〉版」本編映像
2022年4月22日 19:00

第71回ベルリン国際映画祭の金熊賞を受賞した、ルーマニアの鬼才ラドゥ・ジューデ監督作「アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ 監督〈自己検閲〉版」の本編映像がお披露目。プライベートセックスビデオがネット上で拡散した、ブカレストの名門校教師エミが、異端審問さながらの保護者会で非難され、あろうことか目の前でセックスビデオを再生されるという地獄絵図が切り取られている。

ベルリン国際映画祭は、冒頭のあけすけな本番セックスシーンに始まる本作に、最高賞にあたる金熊賞を授与。その後、第94回アカデミー国際長編映画賞のルーマニア代表作品、さらに米ニューヨーク・タイムズ紙が選ぶ2021年ベスト10の第2位(第6位は「ドライブ・マイ・カー」)に選出された。物語は3部仕立てで展開し、第1部ではエミがブカレストの街をさまよう姿を追い続け、続く第2部には、膨大なアーカイブ映像やコラージュがちりばめられている。最後の第3部で、エミがセックスビデオ流出騒動を説明するため、学校で保護者会が開かれる様子が描かれる。
“監督〈自己検閲〉版”と大々的に謳われた本作は、シーンの要所要所に「見られなくて残念!」「検閲版だよ!」といったアイロニカルで挑発的、ユーモア溢れるメッセージが文字通り本編に映し出されてゆくスペシャルバージョンとなっている。

第3部の保護者会をとらえた本編映像が映すのは、学校に到着したエミに対し、校長の仲裁も空しく、既に臨戦態勢の保護者たち。ある女性が事件の発端であるビデオを皆で確認しようと言い出し、保護者たちの目の前で、ビデオが再生される。エミの訴える正論や、いままでの教育者としての人格は無視され、「教育者のセックス」がただの興味の対象として晒されていく。エミの悲痛な眼差しと、SNS上で執拗に罵倒を繰り返す“顔のない人々”を表現しているかのような、過剰なマスクで表情を覆い隠す保護者たちの不気味な姿が印象的だ。

ブカレストを拠点とするジューデ監督は、短編、長編を問わず精力的に映画製作に取り組んでおり、「アーフェリム!」(2015)で第65回ベルリン国際映画祭の銀熊賞(最優秀監督賞)を受賞。さらに自身初のドキュメンタリー映画「野蛮人として歴史に名を残しても構わない」(18)、そして本作がベルリン上映作品として選出され、遂に金熊賞の栄誉を得た。ジューデ監督は、「僕はセックスが卑猥だとは思わない」「セクシュアルなこと以上によっぽど“猥雑な”ものが世の中には溢れている」と語っている。
「アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ 監督〈自己検閲〉版」は4月23日から、東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開。
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

35年目のラブレター
【感動実話に“とんでもない絶賛”の嵐】噂を聞きつけ実際に観てきたら…忖度なし正直レビュー!
提供:東映

ヤバい映画みつけましたよ
【いた…凄まじくクレイジーな監督が…!】壮大VFXの映画をほぼ1人で製作、撮影に7年、完成に12年…
提供:Henge

あの歌を憶えている
シングルマザーの主人公。男が家までつけてきた…しかし彼女はその男に惹かれる。男は若年性認知症だった。
提供:セテラ・インターナショナル

ドライブ・イン・マンハッタン
【今年の“個人的ベスト3入り”が確定!?】人はなぜ浮気をする? 人生観が変わる運命的な物語
提供:東京テアトル

洋画“No.1ヒット”スタート!
【新「アベンジャーズ」と関係する“大事件”!?】物語のカギは…なんと“日本”!見どころを徹底調査
提供:ディズニー

“史上最悪”の事件を全世界に生放送
【衝撃の1日を追体験】こんなショッキングな瞬間…観ていいのか? 圧倒的緊迫感の90分
提供:東和ピクチャーズ