ジョン・コルトレーンの温もりを知るジャズ喫茶店主の写真展とトークショー、函館シネマアイリスで開催
2022年3月1日 22:00

モダンジャズの巨人と称された故ジョン・コルトレーンのドキュメンタリー映画「ジョン・コルトレーン チェイシング・トレーン」が、3月4日から北海道・函館のシネマアイリスで上映される。これを記念し、同市内の老舗ジャズ喫茶「カフェ バップ」の松浦善治氏が4日に同館でトークショーを行う。また、松浦氏が1966年に撮影した生前のコルトレーンの秘蔵写真10点を、同館ロビーに並べる写真展が開催されることが決まった。

アメリカで2016年に公開された同作は、日本では昨年封切り。わずか40年の生涯でありながら、ジャズのみならずアメリカ・ポピュラー音楽の歴史に多大な影響を与えたコルトレーン。レコーディングの機会に恵まれなかったキャリア初期、恩師マイルス・デイビスのバンドへの抜擢、薬物とアルコール依存症を乗り越えて才能を開花させた57年、そこから約10年間で数々の名盤を生み出していく姿を、コルトレーンに影響を受けたアーティストたちの証言や貴重な映像をもとに振り返っていく。映画では、オスカー俳優のデンゼル・ワシントンがコルトレーンの声を担当している。

「カフェ バップ」を70年に開店してから52年となる松浦氏は、66年7月18日に東京厚生年金会館で行われたコルトレーンの来日公演を見るため、約12時間かけて上京。隠し持っていたカメラで演奏中の勇姿を撮ることに成功した。さらに公演終了後、関係者の目をかいぐぐって楽屋を訪問、コルトレーンは両手を広げて迎え入れてくれたそう。この時は、サインを求めたほか握手も交わしたというが、トークショーではこの時の様子も語られるものとみられる。
コルトレーンのサインなどは、松浦氏が経営する函館市内の店舗に飾られてきたが、今回の写真展ではこれまでに公開したことがなかった秘蔵写真もお披露目されるという。コルトレーンは東京公演の約1年後、67年7月に死去。最初で最後の来日公演となったことからも、ジャズの生き字引ともいえる松浦氏が当日どのような話をするのかに注目が集まる。トークショーは、4日午後8時20分から開始。写真展は4日から上映最終日まで同館ロビーで開催されるという。
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