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小松菜奈、「余命10年」ジャパンプレミアで感涙 全身全霊をかけて挑んだ映画が「宝物」

2022年1月25日 11:00

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涙を見せながら撮影を振り返った
涙を見せながら撮影を振り返った

切なすぎる小説としてSNS等で反響が広がり、累計発行部数50万部を突破した小坂流加氏の同名小説を実写化した映画「余命10年」のジャパンプレミアイベントが1月24日、丸の内ピカデリーで行われ、ダブル主演を務める小松菜奈坂口健太郎、共演者の山田裕貴奈緒黒木華原日出子松重豊、そして藤井道人監督も出席した。

20歳の時に、数万人にひとりという難病を発症し、余命が10年であることを知り、もう恋はしないと心に決めた茉莉(まつり)。そして生きることに迷い、自分の居場所を見失った和人。同窓会で再会したふたりは惹かれあい、少しずつ距離を近づけていくが、ふたりに残された時間も迫っていた……。茉莉役の小松と和人役の坂口は、今作が初共演。ふたりは亡くなった著者・小坂氏の思いを引き継ぎ、全身全霊で役に挑んだという。

映画上映後、ステージに登壇した小松は「今、見てもらった後ということで……どうだったかなと、ずっと気になっていたんですけど。この企画をいただいてから本当に……」と語るや、その瞳からは見る見る涙が。そして「すみません」と言いながら涙をぬぐった小松は、声を震わせながら、それでも声を絞り出すように「本当にいろんな物語があって。こうして完成できたこと、今ここに立っていることを本当にうれしく思いますし、感無量というか……。本当にこの1年、みんなで前を向いて生き続けたこの1年。映画『余命10年』がこれからたくさんの人の届いてほしいと心から願っています」とあいさつ。イベント中は、そんな小松の熱い思いに、共演者たちが涙をぬぐうひと幕もあった。

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およそ1年にわたった撮影で、小松自身も1年をかけて茉莉の人生を生き抜いた。「この茉莉という役を演じ終えた後は抜け殻状態だったというか。燃え尽きたなという気持ちが大きくて」と語る小松は、「だからすぐに次の仕事にいけないくらい。自分の人生と、役の人生が重なって。ふたつの人生を歩んだような不思議な時間で。今までそういう役はなかったので。すごく大好きな現場でしたし、皆さんと一緒にひとつの大切な作品を作れたことは本当にかけがえのないことで。自分にとっても宝物になりました」と誇らしげに語る。

病状が悪化していく役ということで、減量をしていたという小松。「だからみんなでご飯を食べるということはしていなくて。自分で持ってきたご飯を食べていました」という小松は、「うなぎの差し入れがあった時は、いいな、おいしそうだなと思っていました」と笑いながら述懐。さらに「家族との大事なシーンを撮影している時にもおなかが鳴ってしまって。今の音はわたしだなと思いながらも、大事なシーンだったので、最後までお芝居を続けなきゃと思って。そういうわけで、常に現場ではおなかが鳴っていたんですけど、茉莉の気持ちはもっと計り知れないものだと思うんです。でもその苦しさだったり、いっぱいいっぱいになる気持ちだったりとかは、減量して、自分のこととして、役として消化することができたなと思います」と振り返った。

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そんな小松の様子をそばで見ていたという母親役の原は「本当に見る見る痩せていくわけ。途中で心配になっちゃって。終わったらおいしいもの食べに行こうねって言いながら頑張ったね」とねぎらいの言葉を寄せると、小松も笑顔でうなずいてみせる。またプライベートでも小松と仲良くしているという奈緒も「本当にすごく大変な役を、減量しながら、すごく真剣に向き合っている姿を隣で見ていて、仲間としても、友だちとしても本当にカッコいいなと思っていました。この撮影中も、自分自身が大変なのに、私自身、菜奈に支えられたこともありました」と思わず涙ぐむひと幕もあった。

映画「余命10年」は3月4日より全国公開。

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