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ベトナム戦争ボート難民の青年が30年後祖国でアイデンティティを探す旅――「MONSOON モンスーン」ホン・カウ監督に聞く

2022年1月15日 11:00

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ホン・カウ監督
ホン・カウ監督

ヘンリー・ゴールディング(「クレイジー・リッチ!」「G.I.ジョー 漆黒のスネークアイズ」)主演し、「追憶と、踊りながら」のホン・カウが監督を務める「MONSOON モンスーン」が公開された。幼いころ家族とともにベトナム戦争後の混乱を逃れてイギリスへ渡ったボート難民の青年が30年ぶりにベトナム・サイゴン(現ホーチミン)へ帰郷し、自身のアイデンティティを探す旅路を描く。国家同士の争いから、戦争に翻弄された家族の歴史、そして一個人のアイデンティの物語を繊細に描いたホン・カウ監督に話を聞いた。

画像2(C)MONSOON FILM 2018 LIMITED, BRITISH BROADCASTING CORPORATION, THE BRITISH FILM INSTITUTE 2019
――本作を製作したきっかけを教えてください。

もともと、ベトナム戦争についての映画が撮りたいと考えていました。これまであった銃や兵士が出てくるような戦争映画ではない、自分自身の文化的なアイデンティティ・国籍的なアイデンティティの葛藤を描きたいという想いから脚本を書き始め、今のストーリーへと発展していきました。

――監督ご自身の経験も反映されている作品だと伺いました。

はい。劇中で主人公・キットが感じている苦痛が、私の中にずっとあった葛藤そのものです。私はカンボジアで生まれ、赤ん坊の頃にベトナムへと移住したため、子ども時代の思い出はベトナムでのものでした。そのあとイギリスへと移住するわけですが、今回ベトナムを舞台にしたのはそのような経緯があります。

私はこれまで「どこにも属さない苦しみ」と戦ってきたので、「自分のアイデンティティを掴む」ことを試みてきました。この作品の中では、そのようなことを語りたかったんです。

画像3(C)MONSOON FILM 2018 LIMITED, BRITISH BROADCASTING CORPORATION, THE BRITISH FILM INSTITUTE 2019
――今回の撮影を機に訪れたベトナムの印象はいかがでしたか?

脚本を書くにあたって、30年ぶりにベトナムを訪れて色々とリサーチをしました。記憶の曖昧さをそのまま作品の中で表現をしている部分もありますが、リサーチ中は自分の記憶を蘇らせながら、新しいものを吸収していくような作業でしたね。8歳までベトナムにいましたが、その頃とは全く違っていて。見知らぬ場所に降り立ったような感覚で、居場所がないような気持ちになりました。

ベトナムは、高層ビルが立ち並んでいて見た目は発展していますが、夜クラブから外にでると目の前にあるのは貧困都市です。常に姿が変わっていく街というのも、私のテーマと合致していたので「今でしか捉えられないもの」として描きたかったんです。

――キャスティングには苦労したそうですね。  ヘンリー・ゴールディングを主演に起用した決め手は何だったのでしょうか?

彼をキャスティングできたことは本当に幸運でした。キット役を探すことは難航して、非常に時間がかかりました。キットは魅力とカリスマ性のある役者でなければいけなかったし、何より内面の葛藤を表現できなければいけませんでした。

世界中でオーディションをしていたところ、ヘンリーのオーディションテープが届きました。本当にわくわくしましたね。その後、スカイプで直接オーディションをして、私自身がLAに行って1日かけてワークショップを行いました。彼がマレーシアとイギリスのハーフだったこともあって、アイデンティティの葛藤をよく理解してくれたし感情表現が正直に感じられました。経験のある役者を多く見てきましたが、苦しみや痛みをヘンリーほど表現できる人はいなかったように思います。

画像4(C)MONSOON FILM 2018 LIMITED, BRITISH BROADCASTING CORPORATION, THE BRITISH FILM INSTITUTE 2019
――観客にはこの映画から何を感じ取ってもらいたいですか?

私がこの映画で語りたいテーマを、観客の皆さんに理解してもらいたいと思っています。それは、自分の居場所がなくなって難民となり、新しい国に行っても、そこを自分の居場所とは完全には感じられない葛藤が常にあるというテーマなんです。居場所を無くした過去を持つ人々がどんな人なのかを理解してもらえたら嬉しいですね。

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