佐渡島の太鼓芸能集団、鼓童の映画「戦慄せしめよ」公開決定 豊田利晃監督、音楽は日野浩志郎
2021年12月14日 18:00
緻密な楽曲群を迫力の鼓童の太鼓が打ち鳴らす、戦慄の89分。日本の原風景をとどめる佐渡島の歴史と神秘を紐解き、音と映像に込めて届けるセリフの一切ない音楽劇だ。鼓童メンバーから届いたメールをきっかけに、気鋭の現代音楽家・日野浩志郎が延べ1カ月に及ぶ鼓童村での滞在制作で完成させた楽曲群を豊田利晃監督が全編を佐渡島で撮影、映像化した。俳優・渋川清彦も参加している。2021年2月、映像配信のみでの発表後、ドイツの上映で評価され、このほど凱旋上映となる。
1月28日~2月10日シネマート新宿(ブーストサウンド上映※2月3日まで予定)、2月11日~2月17日シネマート心斎橋(boidsound上映)ほか全国順次上映。
2020年12月、日本中がコロナパンデミックで真っ赤に染まる中、感染者がゼロの佐渡島で俺たちは祈るように撮影をしていた。極寒の佐渡島を恐れることなく、ただ太鼓の音にだけ震えた。鼓童の硬質なストイックさに忘れていた未来を感じた。あの時期、あの場所でないと映らない霊気がここにある。
音で奏でるドキュメンタリー。時代が戦慄している。 2021年12月
日野氏は、我々とはまったく違った視点から、鼓童の音楽を見つめ直し、当たり前のように叩き続けてきた
太鼓の音の中に、新たな響きを見出そうとしていた。一般的に太鼓は、郷土芸能を想起させることが多い。
しかしこの作品の中での太鼓は、そこを通り越して、自然そのものを感じさせる。
極限まで洗練された音楽性は、その音色を際立たせ、無個性でありながら自然的な力強さを生み出した。
誰も経験したことがないパンデミックの最中、静かに迎えた鼓童創立40周年。
劇場で音が届けられない状況下で、自分たちの音楽性や在り方を問い直した。
「戦慄せしめよ」というこの映画をきっかけに、豊田監督や日野氏に出会い、新たな価値観や音楽観に触れ
られたことは、今の時代にも太鼓と向き合い続ける鼓童にとって、必然である気がしてならない。
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