「カメラを止めるな!」上田慎一郎&曽根剛が向き合った東日本大震災「永遠の1分。」22年春公開
2021年12月3日 15:00
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「カメラを止めるな!」で撮影を担当した曽根剛が監督を務め、上田慎一郎監督が脚本を担当した映画「永遠の1分。」が、2022年春に公開されることが決定。あわせて、岩手県久慈市でのメイキング映像が披露された。
本作は“笑いの力”を武器に東日本大震災と向き合うヒューマンドラマ。物語の中心を担うのは、“3・11”を題材にしたドキュメンタリーを撮ってくるように命じられて来日したアメリカ人のスティーブ。被災地に入り、復興の道半ばの現状を目の当たりにした彼は「この題材を部外者が取り上げることは許されるのか?」と葛藤する。
“笑い”がもたらす癒しの力で困難や葛藤を乗り越えていく姿を描くヒューマンドラマであると同時に、「東日本大震災を題材にしたコメディ映画を撮る」という、映画化にあたり製作陣が実際に苦悩したことを追体験することができる作品となっている。主人公スティーブを演じるのは、日本を拠点に幅広く活躍するニューヨーク出身のマイケル・キダ。ヒロイン・麗子役は、映画初出演となるラッパーのAwich。そのほか、毎熊克哉、ライアン・ドリース、片山萌美、ルナ、中村優一、アレキサンダー・ハンター、西尾舞生、渡辺裕之が出演している。
「永遠の1分。」は、22年春に全国公開。キャスト、スタッフのコメントは以下の通り。
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初めて台本に目を通した時、笑って泣きました。絶対にこの作品に参加したい!と思ったので、スティーブ役に決まったときは感激でした。撮影で東北に行ったとき、役を演じていることを忘れて、自分が本当にスティーブであるかのような感覚になることがありました。あまりの生々しさにときに苦しさを感じることもありましたが、被災者の方に聞いた沢山の教訓が、私を前向きに、笑顔にさせてくれました。この作品がみなさんにも同じように希望を与えてくれるものになることを願っています。
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私は沖縄で生まれ育ちました。今回演じた麗子は東北の出身。全く違うようですが、「多くの人々の命が奪われる大惨事が起こった歴史を持つ土地」として背負っているものは似ているように感じ、自分の中でそこを照らし合わせていました。それからもう一つ…私は3.11が起こった2011年に最愛の夫を亡くしました。なので、麗子の経験とは時系列的にもとても通じる部分がある。大切な人が、ある日突然いなくなる。今までの生活が、ある日突然一変する。その経験は他人が思うよりずっと長い間、当事者を苦しめるものです。自分や他人を責めたり、やり場の無い怒りや空虚感と戦ったり…そういう状態から抜け出せるきっかけとなるものが、音楽だったり、映画だったりするものだと私は信じています。だから私は今回の作品に携わりたいと思いました。今回の作品に込めた私たちの願いが、東北の仲間達、そして世界中の同じ痛みを持っている方々に届きますように。
被災者でもない私が3.11を描くことに関しては、正直後ろめたい気持ちが少なからずありました。取材などで何度か被災地を訪れましたが、その後ろめたさはむしろ強くなりました。私には何もできることがないのではないか、映画を撮ることも不謹慎ではないかと。本作の題材は日本の大震災だけではなく、あらゆる困難に立ち向かう人間の姿、それは世界共通のもとして再構成されるに至りました。映画の中で描かれている登場人物たちは、実際の私たちの姿でもあります。まさに世界が困難に立たされている今、本作が何らかの役に立ち、多くの人を前向きにするきっかけになればと思います。
本作の企画が持ち上がったのは2013年頃。監督である曽根剛から「3.11を題材にした映画の脚本を書いて欲しい」と依頼が来ました。自分は3.11の部外者だという感覚がありました。自分に3.11を書く資格はない。そう思っていたのです。しかし、思い直しました。「3.11を題材にしたコメディ映画を創る人の話」であれば自分にも書けるかもしれない。大地震、大雨や台風、感染症。この世界では、時に人の力ではどうしようもない事が起きます。しかし、それを乗り越える力を人間は持っています。困難な時こそ、前を向く力、ユーモアが必要だと信じています。この映画が、困難に立たされている世界中の人々の「力」になればと願っています。
(C)「永遠の1分。」製作委員会
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